中国が知的所有権を有する、原子力発電所におけるデジタル化されたセキュリティ計装・制御(I&C)プラットフォームの開発成果が24日、北京で発表された。このことは、中国が原子力発電所の「中枢神経」である、デジタルI&Cシステムの研究で重大な進展を果たしたことを意味する。「新華網」が24日に伝えた。
デジタルI&Cシステムは、原子力発電所における「中枢神経」といわれており、大型の原発分野における一国の現代化の程度を示すものだ。中国は長年、この分野の製品のほとんどを輸入に依存してきた。中国広東核電集団(中広核集団)の賀禹・董事長は「同プラットフォームの各性能・指標は、国外の同タイプの製品と同等もしくは上回っており、国内の空白を埋めた」と述べる。
同プラットフォームはCPR1000型炉など、第二世代の改良型PWR(加圧水型)炉のセキュリティシステムとして直接利用できるほか、第三世代のAP1000型炉やヨーロッパ型加圧水型原子炉(EPR)などにも応用できる。さらに第4世代の高温ガス冷却炉、高速増殖炉などのセキュリティシステム開発に向けても推進作用を持っているという。
同プラットフォームは、国家エネルギー原子力発電所デジタルI&Cシステム研究開発センターで発表された。同センターは中国初となる16カ所の国家エネルギー研究開発(実験)センターの1つであり、中広核集団傘下の北京広利核系統工程有限公司に属する。同公司の障ィ志堅・総経理は「2013年までに、第三世代原発に向けて100%の自主化を果たしたI&Cシステムを提供できるよう目指していく」と述べる。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年10月25日