中国が自主開発した発電所用の脱硫触媒が10月30日、利用を開始した。これにより、脱硫触媒の技術を完全に輸入に頼っていた状況は変わり、中国における同産業は自主開発、量産化の新たな段階に突入する見通し。
華北電力大学環境科学・工程学院の趙毅院長によると、「火力発電所ボイラー用の選択的接触還元(SCR)脱硫触媒」には、1000万元近くの開発費が投下され、世界の先端的な生産技術が導入された。各データ、性能と指標は海外の同種プロジェクトと同じレベルに達し、中には超えるものもある。その上、国内の高温、多塵、高圧の生産条件、およびボイラーと高炉ガスの混合燃料の環境に海外製品より適しているという。
SCR技術は重要な石炭利用の排煙脱硫技術である。触媒はその中の重要技術の一つだが、国内では長期にわたり完全に輸入に頼ってきた。
この触媒のプロジェクトは、華北電力大学の専門家と江蘇省の峰業電力環境保全グループ万徳電力環境保全有限公司が共同で開発した。
中国で新たに建設、改築が必要な排煙脱硫装置の設備容量は1億キロワットにのぼり、まもなく1000億元規模の脱硫製品の市場が形成される見込み。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月4日