国連気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)がまもなくメキシコのカンクンで開催されるが、「バリ・ロードマップ」を堅持する中国は交渉テキストについて警鐘を鳴らしている。23日に発表された『中国の気候変動対応政策と行動-2010年度報告書』は、締約国の十分な討議と承認を経ていない「未承認交渉テキスト」をカンクン会議の交渉ベースとすることに対し、中国が反対することをはっきりと示している。
中国政府が発表した『中国の気候変動対応政策と行動』報告書は、カンクン会議で各参加国は締約国の交渉テキストをベースとし、「バリ・ロードマップ」の交渉プロセスの進展に力を集中させるべきだ、と指摘している。カンクン会議は「バリ・ロードマップ」の授権を堅持し、『気候変動に関する国際連合枠組条約』と『京都議定書』の2トラックアプローチを堅持し、さらに締約国によるけん引と公開・透明性、広範な参与、協議による一致と締約国主導という原則を堅持しなければならない。
報告書は、カンクン会議は迅速な資金協力、適応、技術移転、森林など共通認識の多い問題で実際的成果をあげ、「バリ・ロードマップ」最終達成に向けた交渉のために強固な基礎を打ち固めなければならない、としている。
カンクン会議では、比較的大きく意見が対立している緩和、計測・報告・検証可能な行動、透明性などの問題で展開されている交渉において、中国は積極的かつ開放的な態度で、共通認識の達成に向けて努力する。それでも意見が一致しない場合は、引き続き「バリ・ロードマップ」の授権に基づいて交渉をやり遂げるという決定をカンクン会議で下すべきである。
中国国家発展改革委員会の副主任で、カンクン会議に参加する中国政府代表団の解振華団長は23日、カンクン会議の「最終結果」は、「誰も満足できないが、誰もが受け入れられる結果であるべきだ。それが最良の結果である」と述べ、今回の会議で世界に胸を脹れるような進展があり、人々の気候変動対応に対する信念が強まることを望む、との意を示した。
解団長はまた次のように述べた。先進国は率先して大幅な排出量削減を行い、発展途上国の発展のためにより大きな空間を提供するべきだ。「共通だが差異のある責任」の原則によれば、発展途上国の優先的任務は発展である。それと同時に積極的な緩和行動と措置を取るべきだが、それには先進国の資金的・技術的支援が必要である。
解振華団長はさらに次のような考えを示している。各国は本国の政治や経済事情を理由に、世界の気候変動対応のプロセスを遅延させたり阻害したりしてはならず、これは責任感のない行為である。中国は米国が指導的役割を発揮し、交渉全体のプロセスを推進することを望んでいる。
「北京週報日本語版」 2010年11月28日