地下に埋めるにもお金がなく、技術でお金を稼ぐにも国民は納得せず
クリーンでしかも効率が良いということで、世界はますます原子力発電に注目するようになった。核分裂によってエネルギーが発生するため、原子力発電所からは大量の核廃棄物が出る。人体に悪影響を及ぼすこの危険な副産物に人々は悩まされてきた。特に高濃度の放射性廃棄物は、放射能が弱まり、人体に害を及ぼさないレベルになるまでには数万年から数百年を要するものもあり、正に「後顧の憂いに絶えない」と言えよう。どのように安全にかつ永久に処分できるかは、世界中の科学者が挑戦している難問である。
地層処分はお金がかかりすぎる
ロシア、アメリカ、イギリスなどの主な原子力消費大国の高レベル放射性廃棄物の廃棄方法は、まず、放射性廃棄物を純度が極めて高い特殊な冷却水の中に入れ、何年もかけて温度を下げていく。その後、ドラム缶のなかに入れ、反応性の鈍いイナートガスとともに密封する。最後にドラム缶を巨大なコンクリートピットに入れ、一時的に保管するのだ。
しかし、この処分方法は長期的に使用できるものではない。エネルギーの消費量は年々増大し、廃棄物は止まることなく増えていく。今の保管施設だけでは飽和状態になる日が来ることは目に見えている。また、保管施設が方々に分散していても管理が行き届かない。そのため、各国では人が決して触れることができないような地下深い場所に、永久的に保管できるような施設を建設することに乗り出している。そうすることで、放射性廃棄物を安全に隔離するのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月14日