世界はどのように「核のゴミ」を処理しているのか

世界はどのように「核のゴミ」を処理しているのか。

タグ: 核のゴミ 原子力発電 放射性廃棄物

発信時間: 2011-01-14 11:19:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

地層処分は世界中で認められている、最も安全な放射性廃棄物の処分方法である。高レベルの放射性廃棄物を数千メートルの深い地層の中に埋めるのだ。フィンランドは世界に先駆けて地層処分場の建設を提案した国である。2020年には、最初の処分場が本格的に操業を開始する予定だ。スウェーデンとフランスでもそれぞれ2023年と2025年に処分場が完成する。2010年11月、欧州委員会は地層処分場の設置に関する法規制を行うために、「使用済燃料及び放射性廃棄物の管理に関する指令案」を公表した。指令案は、EU加盟国に対して、最終処分場をいつ、どこで、どのように建設・操業するのかを示した国家計画の策定を4年以内に行うことを要求するものである。関係者の話では、実施はスムーズには進まなさそうだ。

まずは資金面に問題がある。ここまで巨大な処分場を建設するとなると、数百億ドルなんて簡単になくなってしまう。財政危機という暗雲が立ち込めるなかでは、政府の出費はどのようなものであっても、何度も何度も審議にかけられることになる。地層処分場の建設ペースが遅くなるのは免れないことだ。

そして、もうひとつの肝心な問題が処分場候補地の選定である。候補地の地質条件は安定した十分な硬さを保っている必要があり、放射性物質が決して外に漏洩しないようにしなくてはいけないのだ。そして、候補地の住民の賛同がなければ、計画を進める事は不可能に近い。放射性廃棄物を大量に排出しているアメリカは、住民の強い反対に遭い、計画が大幅に遅れると言う苦しい局面を体験している。

2002年、ブッシュ大統領は、ネバダ州のユッカマウンテンの麓に放射性廃棄物処分場を建設することを決定した。早くて2010年には国内の原子力発電所の高レベル放射性物質を全て、この処分場に集める予定である。この計画はネバダ州政府と現地の環境保護団体の強い反発を買った。そして、大統領選でネバダ州の支持票を4票獲得したオバマ大統領は、政権を握ると、計画の資金を取り消した。20年以上もの間、議論され続けてきた計画はここに来て、挫折してしまったのだ。

     1   2   3   4    


日本人フルタイムスタッフ募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。