六里屯ごみ焼却場(北京市海淀区)の建設は、北京市の「第11次5カ年計画」(2006~2010年)の重点項目のひとつであった。しかし計画期の最後になって、建設を断念することになった。
中国共産党北京市委員会常務委員兼海淀区委員会書記の趙鳳桐氏は先月、北京市両会(人民代表大会と政治協商会議)の席上、「六里屯ごみ焼却場の建設は断念した」とはっきりと述べた。
4年にわたる反対運動
06年末、六里屯周辺の住民は海淀区政府が発表した「第11次五カ年計画」と海淀北部新区の計画展から、政府は8億元以上を投資して六里屯ごみ埋立場の南側にごみ焼却発電所を建設し、07年3月から稼動させる計画であることを知った。しかもその計画は、北京市の「第11次5カ年計画」の重点項目でもあった。
この計画に周辺住民は反対の声を上げた。ごみ焼却場の建設では六里屯ごみ埋立場の悪臭問題を根本的に解決することはできないばかりか、周辺ないしは遠方の地域の環境まで悪化させかねないと考えたのである。住民たちは建設反対の署名運動を行い、メディアもこの動きに注目し続けた。
建設断念の理由