建設断念の理由
北京市市政市容管理委員会の高級工程師で、ゴミ問題専門家の王維平氏は、建設断念の理由として、住民の強い反対もその一つだと指摘する。もう一つの理由は、建設予定地が「京密引水路」から近いため、水質に影響が及ぶことを心配したからだという。
「京密引水路」は六里屯ごみ焼却場建設予定地の南側1キロも離れないところに位置する。密雲ダムで蓄えられた水を北京の中心部に送る重要な水路であり、北京市の1級水源保護区に指定されている。
六里屯ごみ焼却場の建設計画は15年前に始まった。当初の候補地は百望山地区であったが、同地区は海淀区の急速な経済発展に伴って経済発展の著しい新区域となり、不動産価格が高騰したうえ、周辺に高級住宅街が次々と建設された。このため政府は、この地にごみ焼却場を建設するのは適切ではないと判断し、候補地を六里屯へ移した。
王氏によると、六里屯の代替候補地は「寨口鉱」だという。「寨口鉱」は山に囲まれた鉱山跡であり、最大のメリットは住宅区から離れていることだと話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月11日