天津市で危険化学品による爆発事故が発生すると、人々は再び危険化学品の安全管理に注目した。北京市の危険化学品の保管、輸送の現状はどうなっているのだろうか?どれほど高い安全リスクが存在するのだろうか?危険化学品は今後、どのように管理すべきだろうか?北京市安全生産監督管理局の関係者が昨日、これらの疑問に回答した。張延昆副市長は全市のテレビ会議を主宰し、天津浜海新区の爆発事故の状況を報告し、来週より北京市で劇毒化学品および爆発しやすい危険化学品の生産と取り扱いを一時的に停止すると発表した。
三環内は保管が禁止
北京市安全生産監督管理局危険化学品所の劉麗所長は、「北京市の危険化学品の重点エリアは、主に房山、通州、大興に位置する。房山には燕山石化が、通州には東方化工場があり、大興はこの2つの区に隣接している。ゆえにこの3区が重点エリアだ。北京は危険化学品の安全管理について、三環内は保管を禁止と明確に要求している。ゆえに危険化学品は四環より外で保管されている」と説明した。
メディアの調査によると、北京にはすでに専門的な危険化学品倉庫がない。また市場でも危険化学品の保管をめぐり、需給バランスに深刻な乱れが生じており、より安全リスクの高い「闇倉庫」が生まれている。劉所長はこの問題について、「北京には確かに集中的かつ専門的な保管倉庫はない。危険化学品の保管は現在、オイルタンクやガソリンスタンドなど、企業独自の保管となっている。企業は独自の保管により需要を満たしているが、一部の企業が周辺の倉庫に保管するか、天津市や河北省に保管している可能性を否定できない」と述べた。
劉所長は、「安全監督部門は現在、危険化学品の保管に対して基礎的なリサーチを行っており、真の需給状況を把握しようとしている」と話した。
影響
環境保護:大気品質に影響なし
北京青年報の記者が昨日、北京市環境保護局から得た情報によると、爆発事故は北京市の大気品質に影響を及ぼしていない。
昨日、北京市南東部の観測点では、各種汚染物質の濃度が正常だった。濃度の変化曲線は、北京市のその他の観測点と一致し、濃度が異常な上昇を見せることはなかった。北京環境保護検測センターのデータによると、昨日の北京市南東・南西部および市街地6区のPM2.5濃度は、「上昇後低下」という傾向を見せた。午前8時、通州、大興、亦荘などの南東部のPM2.5濃度は127μg/㎥で、その後徐々に上昇し、昼12時に161μg/㎥に達し、同日のピーク値となった。午後は徐々に低下し、16時には106μg/㎥となった。また北京地区の揮発性有機物の観測データによると、各種汚染物の濃度は正常水準で、異常は見られなかった。
風向きなどの気象条件を見ると、華北地区は西南西の風が中心だった。天津浜海新区の爆発現場は北京市の南東の方向だったため、爆発によって放出された汚染物質は主に渤海の方向に拡散した。そのため北京市の大気品質には影響が生じなかった。ただし北京市は空気が拡散しにくい条件となっており、昨晩から本日昼にかけて軽・中度の汚染が続く。夜間の主な汚染物質はPM2.5で、日中はオゾン。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月15日