環境部は14日、華北地域の22の都市(区)に対する環境保護総合監督検査の結果を発表した。それによると、華北地域における環境問題とは、すなわち鉄鋼・石炭産業の問題であることがわかった。北京や天津以外のほか、華北地域での石炭のエネルギー消費に占める割合は90%近くと、全国平均を大幅に上回っている。
ある専門家は「華北地域全体の大気汚染という点からすると、石炭の燃焼が煙霧の主因である」と指摘。ある研究によれば、全国のPM2.5の濃度が基準を超えているのは石炭の燃焼と関係があり、そのPM2.5の濃度に対する影響度は61%程度という。
環境部による環境保護監督政策は、華北地域の6省(区、市)をカバーしている。それらの地域の都市の特徴をみると、唐山や邯鄲は「鉄鋼の町」、邢台市は「重化学工業の町」、包頭エリアが「重工業の町」、陽泉や晋中が「石炭の町」などである。華北地域のエネルギー消費に占める石炭の割合が9割となっている。
今年11月末の華北地域の持続的な大気汚染に対して行った分析によると、石炭の燃焼と工業排出がその主たる原因であることがわかっている。
このほか、(品質の悪い)ばら売り石炭の対策も大きな問題となっている。各地方は対策に力を入れているものの、脆弱な部分が数多く見られる。各地のばら売り石炭販売の基準値を超える比率は北京市で22.2%、天津市が26.7%、河北省の唐山、廊坊、保定、滄州の4市の平均が37.5%だった。
統計によると、2014年の全国の石炭使用量は42億トンで、そのうち火力発電向けが19.4億トン、電力業以外による石炭使用が22.6億トンだった。火力発電向けの対策はうまくいっているものの、煙霧の主原因である電力業以外の排出問題をいかに解決していくかが、「十三五」における煙霧対策のカギを握っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月15日