今年になって、甘粛省南東部の密林に生息している野生のパンダが「下山」して村に出没することが増えている。メディアで報道されただけでも5回に上っている。新華網が報じた。
最近では11月27日に、甘南州舟曲県の村民が木の上にいる野生のパンダを目撃した。そのパンダは、乳離れしていない赤ちゃんパンダであることが分かった。その赤ちゃんパンダが目撃された同省挿崗梁自然保護区では、今年野生のパンダが3回目撃されている。うち1回が5月28日。同省南東部の隴南市武都区の村の畑で、イチゴや青々とした麦を食べる様子が見かけられた。
実際には、野生パンダの出没は非常に珍しく、「長年仕事をしているが、野生のパンダは見たことがない」という自然保護区のスタッフも少なくない。では、なぜ今年パンダの「下山」が相次いでいるのだろう?
同省第四回パンダ調査技術責任者を務める、天水師範学院の李暁鴻・教授は、「食べ物を求めて下りてくる。同省に生息している野生のパンダが出没するのは、冬と春に集中している。恐らく、冬と春は、海抜が高い山の中の竹が夏や秋より少なくなるに対し、海抜が低い場所は竹が豊富にあり、気温が低くなると、自然と下りて来ている可能性が高い」と分析している。また、「パンダが下山するということは、生態が改善されており、保護が進んでいる結果」としている。