CO2排出量をピークアウトさせる日程表を自主的に提出する中国の都市が増えている。気候にやさしい低炭素都市の建設で、さまざまな試みと取り組みを行っている。
大都市が「他山の石」を借りる
北京市、上海市、広州市、深セン市などの大都市は現在、低炭素発展理念を提唱する先駆者、模範になっている。資源面の優位性、国際協力により、資源節約型の、環境にやさしい都市を建設しようとしている。
深セン国際低炭素城を初めて訪れた人は、緑の多さに驚くことだろう。中国初の低炭素発展のモデルである、深セン市竜崗区坪地街道に位置する深セン国際低炭素城はかつて、高エネルギー集約度、炭素排出量で、全市平均水準の2倍に達する場所だった。3−4年の発展を経て、ここは今や国家低炭素発展を模索する使命を担う、世界の注目を集める場所になっている。風力・太陽光発電が可能な街灯、ロボット産業パーク、低炭素生活モデル町、竜崗回帰文化楽園、富坪路インダストリー4.0模範エリアなどが、これまでの都市の要素に代わり、新興低炭素都市の中に溶け込もうとしている。
上海市長寧区で暮らす市民も、身辺の変化を徐々に実感し始めている。石炭燃焼ボイラーがなくなり、多くの公共自転車が街に見られるようになった。オフィスビルの空間構造も、さらに改善された。長寧区のGDP単位当たりのCO2排出量が昨年末時点で、2010年比で2割ほど削減された。これは中国政府と世界銀行、それから地球環境ファシリティ(GEF)と共同実施した、低炭素都市開発・投資プロジェクト「上海建築物省エネ・低炭素エリア建設模範プロジェクト」によって実現された。