二匹のネズミ何処へ行く?

二匹のネズミ何処へ行く?。 新年快楽!
中国の皆さん、新年明けましておめでとうございます。ウサギの年がはじまりましたね!
「龍」や「虎」が強力なイメージがあるのに対して、ウサギは干支の中でも最も可愛らしい動物だと個人的に思います。ただ僕はこのウサギの一年間をイメージしたときには、ウサギのように愛らしく、魅力的に周りから慕われたい一年間・・・という想像よりも…

タグ: ディズニー サービス産業 中国

発信時間: 2011-02-09 14:36:44 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

さて、今回のニュースに話を戻してみましょう。

その超独自路線マーケティングルールを有したエンターテイメントカンパニーのディズニーが、西洋風の世界観を中心としたブランディングのディズニーが、今回「アジアの旧正月イベントとのコラボにGOサイン」をだしたわけです。直感的に考えて、コアとなるブランドイメージが「西洋」であるときに、旧正月といういわば「東洋」のものを融合させることは、プラスとマイナスの側面があるでしょう。

良い方向にその融合が働く例としては、中世にヨーロッパ貴族の間で流行したシノワズリ(中国趣味の美術様式)のような、画期的で、創造的なプラスのブランドイメージともなります。またディズニーは、これまで同様に成功した「コラボ」の経験も持っているということもあるので、ある程度の計算は可能なのだと思います。例えば、そのサブブランドカテゴリーとしてすでに、アメリカウェスタンカントリー調や、アラブ諸国のイメージや、最先端テクノロジー(SF的)のイメージを融合させることにも成功していますね。

一方で、適正なサブブランド化をして、「コンポーネント化」が行われないと、大枠のディズニーの世界観(ブランドイメージ)を破壊してしまうことにもなりかねないわけです。大きいディズニーブランドの中に、ウェスタンコンポーネント(≒サブブランドカテゴリー)、アラブコンポーネント、SFコンポーネント、中国コンポーネントが含まれているという調整が取られる必要があるわけですね。

中国経済の発展と共に、いわゆる、中国マネー(or中国市場)をターゲットにした動きというのは、世界のあらゆる産業界でおこっているわけですが、今回の「石橋を叩いて渡る」どころか「鉄橋をデータ分析しながら渡る」ような(笑)、ディズニーの行動はかなり周到に、綿密に、プラスとマイナスを計算されたものである可能性が高いと僕は考えます。

ディズニーは、強力なマーケティング力をベースに、「何か」をコンポーネント化・サブブランド化してとりこみ、統合ブランド内の一部安全区画に置いておくという方法を常に展開しています(今回は中国式を取り込みました)。音楽のオーケストラで例えれば、西洋風や東洋風、アラビア風の変わった楽器をすこしずつ取り入れつつも、全体ではクラシックの古典を演奏するような優秀な指揮者がいるわけですね!ですからとっても面白い音色が全体から聞こえてくるようになりますが、決して不協和音ではない訳です。

最後に、このニュースを踏まえて、少し日本のサービス産業に警鐘を鳴らしておきたいと思います。

今回の、一見すると「中華圏迎合的」とも言えるディズニーの春節イベントは、自らのブランドイメージを害する覚悟で「中国式文化」を闇雲に組み込んだのではなく、サブブランド化、コンポーネント化というブランド内のイメージ隔離というマーケティングが卓越していたわけです。

ディズニーは特別な技術を持っています。日本のエンターテイメント産業が中国マネーをターゲットにしようとしている動きが各所で散見される中、そうした日本の各企業は間違っても「自らの形・アイデンティティー・ブランドイメージを変えてでも我武者羅に中国マネーをとりこめばいいんだ」というような短絡的で、短期利潤追求的にならないように気をつけてほしいですね。そして、中国人の方が受容できやすいサービスを、上手く既存のサービスと融合させて欲しいと思います。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月9日

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