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中日経済交流の現場から見たヒト、モノ、カネの流れ
発信時間: 2008-04-14 | チャイナネット

買って帰る土産がない

日本の大学で教えている中国人の凌慶成先生は、春休みの中国帰省に、何か土産を買おうとしたが、最終的に手ぶらで帰ることにした。1989年に日本へ留学に来て、20年近くの間に何回、東京と北京を往復したかわからないが、これまではいつも土産を買って帰っていた。

しかし今は、電器製品なら、時には北京での発売が東京より数週間早いし、食べ物も北京の日系コンビニで買った方が便利に決まっている。凌先生だけでなく、飛行機に乗っているほかの中国人乗客も、託送荷物はどんどん小さくなり、むしろ空港の免税店で土産物をたくさん買ったため、手荷物の方が多くなった。

また北京から洋服や食べ物などを買って東京に帰ることも少なくなった。二十年前は、東京のデパートはもちろんスーパーにも、あまり中国製のものはなかったが、今は中国製品をまったく取り扱っていない店のほうが珍しいぐらいだ。

凌先生の日本人の教え子たちは、大学を出てしばらくすると中国へ赴任する人が多い。彼らは年末などに日本に帰り、OB会などを開いて、中国でのビジネスについて語る。二十一世紀に入ってから、中国での経済規模が一兆円を超えた企業がボツボツ出てきた。中国で一兆円規模の大企業に成長するのは、並大抵ではない。

電器製品だけでなく、発電機、高速鉄道の車両など、日本の製品は中国でよく使われており、日系企業が生産した洋服、食品などは日本に逆輸入されている。両国の大都会では、中国製、日本製を問わず、ありとあらゆる商品がそろっており、両国の貿易高も二千億ドルを超えた。規模が一兆円を超える日系企業が中国で続々と生まれる日もそう遠くはないだろう、と凌先生は考えている。

 

「一瞬の美」から「一生の美」へ

資生堂(中国)投資有限公司の宮川勝・総経理の机には、各種の書類のほかに十数種の化粧品が並べてある。「現在発売中の製品のほか、これから出そうとしている製品もいつも机の上に置いておき、ときどき眺めています」と、宮川総経理は言う。

2007年の売上げは約600億円で、04年の2倍。中国では飛躍的に売上げを伸ばした。しかし、中国の化粧品市場の規模は、人口が日本の10倍あるにもかかわらず、1兆5000億円の日本市場の規模より小さい。2010年になっても一兆円そこそこだと見込まれている。中国の化粧品市場は、むしろこれから本格的な開拓段階に入る。

中国での市場開拓は、日本でのマーケティングとはまったく違う。日本では客にいちいち化粧の方法などを教えなくても、たいていの人は基礎知識を持っているが、中国ではそうではない。生活は豊かになり、美しさに対する意識が急速に高くなってきたものの、化粧の方法などはいまだに十分に普及していない。

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