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中日経済交流の現場から見たヒト、モノ、カネの流れ
発信時間: 2008-04-14 | チャイナネット

資生堂は、化粧品をただ売るだけではない。まず契約店や専売店の従業員に化粧方法、接客方法を徹底的に教える。販売員を十分教育したうえで、客に化粧の方法を教える。2007年には、店舗数は2500店に達した。

「5000店舗まで一挙に増やそうと思ったらすぐできるが、我々はクォリティーを大切にしている。本当に商品知識や接客方法を身につけてもらってから、初めて販売契約を結びます」と宮川総経理はサービスの質にこだわる。

資生堂の従業員が販売先まで出張して、化粧方法、接客方法を教えることがあるが、販売員に上海の本部まで来てもらい、そこで研修を重ねることもある。ある程度の品質の化粧品が普及すると、あとはサービスがものを言うようになる。「従業員が化粧に関する知識を持っているかいなかが、お客様にとっては、長くその店から買い物するかどうかにかかわってくるのです」と宮川総経理はいい、2008年には3000から4000店舗まで、ゆっくりと展開していこうとしている。

舶来の化粧品は、北京、上海などの大都会のデパートで買えないことはないが、舶来品だけでは中国の消費者の需要を満たすことはできない。そこで資生堂は1994年から「資生堂オプレ」という中国ブランドを開発し、2006年には「資生堂ウララ」を発売した。「オプレ」は、2007年までに販売量を15倍に増やし、「ウララ」も確実にシェアを伸ばしているという。「これからも中国で開発し、中国で生産する資生堂製品を広く中国消費者に提供して行きます」と宮川総経理は、同社の戦略を語った。

中国の女性たちはこれまで「一瞬の美」を追求してきたが、徹底的な販売員教育と中国現地ブランドの開発生産によって、これからは「一生の美」の追求へと転換することになるだろう。

 

上海の新しいシンボル

黄浦江を見下ろす上海・浦東に、新しい上海のシンボルが出現しつつある。森ビルが1000億円を投資して建てている「上海環球金融センター」である。外観はすでに完成し、内装を施してから2008年秋にオープンする。

高さは492メートル。その100階の観光フロアからは、浦東のシンボルであるテレビ塔の「東方明珠」を眼下に納め、黄浦江越しに歴史的な建物が並ぶ外灘(バンド)や高層ビルがそびえる新しい市街地の風景を一望できるようになる。

中国には、日本のゼネコン(総合建設会社)のような概念はない。だから上海で中国一の高層ビルをつくるに際して、設計、建設、品質管理などの面で、森ビルには勇気が必要だった。「上海の高層ビルの総数は、東京や大阪よりも多い。高層ビルを建設する経験は、地元の建設会社のほうが持っている」と、金融センターの建設仮事務所で、森ビルの監督責任者は明かした。

工事は最終的に、中国建設工程総公司と上海建工(集団)総公司の連合体が請け負った。中国建設工程総公司の責任者は「これによって我々の建設技術は、一大ジャンプができた」と誇らしそうに話した。さらに森ビルから、最新のビル建設の管理ノウハウなども手に入れることもできるという。

日本企業が発注して中国の建築連合体がビルを建てるケースだけではない。上海の街を歩くと、中国企業が発注して日本のゼネコンが請け負って建てているビルにも出会う。ビル建設の業界でも、中日の相互乗り入れが広がっているのだ。(本誌特約レポーター 陳言)

人民中国インターネット版」より2008年4月14日

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