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北京の春をあでやかに装う玉三郎の崑劇公演
発信時間: 2008-04-21 | チャイナネット

崑劇が難しいことは、みなが認めている。玉三郎は『牡丹亭』をうまく演ずるために、大変な修行をした。今年一月、蘇州で行なわれた本稽古のとき、張継青はただ「びっくりした」という言葉で、自分の見た玉三郎の芝居の印象を表現した。

玉三郎にとっては、崑劇の台詞は非常に難しい。去年6月に稽古を始めたが、中国語が分からず、崑劇を学んだこともない玉三郎を早く役になり切らせるために、張継青が自分で歌や台詞を録音し、口の形を撮影して日本に送り、玉三郎に学ばせた。

玉三郎は録音やビデオを無理やり記憶し、練習を繰り返した。仕事と睡眠の時間以外、彼は大部分の時間、録音を聞いていた。稽古の成果は目覚しく、玉三郎の進歩はとても速かった。また登場人物に対する理解や競演の役者、音楽との調和も素晴らしかった。張継青は「舞台での玉三郎の芝居で、他の脇役の役者たちがみな未熟に見えた」と言っている。

監督の靳飛は、こう言う。「『牡丹亭』をうまく演ずるために、玉三郎は早くから中国文化を理解しようと、『論語』『孟子』『荘子』『老子』を読んだ。またほとんど毎日、一時間半も北京に国際電話をかけてきて、私に『牡丹亭』の歌詞の意味を一つ一つ解説させたのです」

劇団の中国人通訳が玉三郎の家を訪問したとき、門を入るやいなや見えたものは、テレビに映し出されている張継青の口の形のビデオだった。玉三郎は彼に「これは毎日、見なければならないのです」と言った。

日本の美を溶け込ませる

本稽古の間、たくさんの崑劇界のベテランたちが、うわさを聞いて見学にやってきた。

笛や笙が奏でる抑揚ある音のなか、玉三郎扮するヒロイン「杜麗娘」がおもむろに登場する。玉三郎は『牡丹亭』の五幕の内、「驚夢」と「離魂」の二幕の「杜麗娘」を演ずる。「驚夢」の恋が実ったあとの恋情の起伏、「離魂」のもの寂しい情の表現は、まさに「杜麗娘」になりきったものだといえる。本稽古が終わると、劇場のなかは嵐のような拍手が沸き起こった。観ていた人たちは口をそろえて、玉三郎の演技を賞賛した。

許鳳山は「玉三郎が学んでいるのは張継青版の『杜麗娘』ですが、『張版』をそのまま身につけようとしているのではないことが、はっきりと感じられます。多方面から養分を吸収し、自分の心のなかの完璧な杜麗娘を創りあげているのでしょう」と話す。

「玉三郎の『杜麗娘』は『離魂』の一幕で、死ぬ間際にもう一度母親にぬかずいて、母親と侍女の春香を軽く押し、別れを告げる所作は、彼が自分で加えたものです。これには日本人が深く認識している『無常』の感覚が満ちあふれている」と監督の語る。

人民中国インターネット版」より2008年4月21日

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