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住友商事の中国事業の歩み 北川信夫会長取材 
発信時間: 2008-05-30 | チャイナネット

中国の経済は驚異的なスピードで拡大していますが、この伸びに合わせるというわけではないですが、住友商事グループの業容も大きく拡大させ、投資も拡大していこうという計画をもっています。目標としては、2010年までに業容を現在の2倍に拡大したいということで、いろいろな計画をしています。具体的には、五つの商品部門をおき、重点的に取り組んでいます。一つ目は金属部門、二つ目は輸送機・建機とインフラ部門、三つ目は化学品・エレクトロニクス部門、四つ目は生活関連産業部門、五つ目は資源・エネルギー部門です。重点的な戦略分野としては、大きく四つを考えています。一つ目は自動車産業関連分野、二つ目はIT関連分野、三つ目は資源・エネルギー分野、四つ目はこれからの新しい取り組みで環境・省エネルギー分野です。もちろん、これ以外の分野にも非常にたくさん取り組んでいますが、重要な戦略的な分野という意味では、この四つを考えています。

 

──日本で最も大きい会社の一つとして、御社は両国の貿易と投資を促進する上でどんな役割を果たしているとお考えですか?

 

商社の場合、今言いましたように、あらゆる分野の取り組みをしています。我々は今中国にいますから、その中国がどんどんこれから伸びていく中で、日本からの支援を求めている分野がたくさんあります。日中相互の利益の拡大という大きな意味を含めて、我々としてはその中国の国益にそって、中国が必要とする分野に特に重点をおいていきたいと思っています。これが最も中国のために役に立つし、中国と仕事する上でスピードをもって取り組めると思っています。この意味で、四つ目の戦略分野に環境と省エネの分野を加えたわけです。

 

──御社はこれまでずっと中国の慈善事業に熱心に取り組んでいらっしゃいますが、そのきっかけはどんなことでしょうか。また今後、どのような計画をお持ちでしょうか。

 

中国で長い間仕事させていただいている我々はそこで利益を上げています。その利益の一部をその国の地域社会に還元するというのは、我々大きな企業にとって、社会的な責任の一つだと思います。そういう意味では、住友商事は非常に積極的に社会貢献事業を今までも進めてきましたし、これからもいろいろな計画があります。住友商事として初めて行った社会貢献は、中国の大学生に対する奨学金です。現在、中国の全国約20カ所の大学で各大学約20名、毎年約400名の大学生に奨学金を提供しています。それから、住友冠講座をスタートさせました。一つは天津の南開大学で、住友基金をベースに住友冠講座がスタートしました。これは南開大学の商学部をパートナーにして、「企業の社会的責任」という大きなテーマのもとで講座を開催しています。もう一つは北京の清華大学で冠講座がスタートしました。清華大学の公共管理学院をパートナーにして、「リーダーシップ」というテーマで講座を行っています。

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