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住友商事の中国事業の歩み 北川信夫会長取材 
発信時間: 2008-05-30 | チャイナネット

今、計画しているのは、まだ発表はしていませんが、中国の田舎、例えば寧夏回族自治区など、かなり田舎のほうで、勉強がよくできて本当に勉強したいと思っているにもかかわらず、家が貧しくて大学に進学できないというような高校生を中心に、奨学金を出すという事業を今考えています。今、まだ具体的な案を作っているところですが、大体年間予算的には70万元ぐらいの規模で今お話したような高校生や、場合によっては高校に行けない中学生だとか、小学校を作るとか、こういったことで特に地方・田舎の貧しい人たちのためになれるようなことを考えています。

これは住友商事の単独の社会貢献事業です。それ以外に、中国日本商会は北京の日本の商会です。現在700社の会員企業があり、昨年度は私が会長を担当していました。そのとき、日本商会として始めたのは、中国の大学生を日本に送るという事業です。日本に派遣する「走近日企、感受日本(日本の企業に入り、日本を感じる)」という事業をスタートさせました。これは住友商事を含めた会員企業の寄付を基金としてスタートし、約2億円を集めました。すでに、去年5月と11月に、11カ所の大学から約60名の大学生を派遣し、今年も5月と11月に2度派遣する予定です。今のところ、5年間続ける予定ですが、合計で約400名の中国の大学生を日本へ派遣して、日本、日本人、日本の文化をよく肌で感じていただこうという事業です。

そして、2007年8月に中国で大変な水害があり、2008年2月には大変な雪害があしました。これも中国日本商会で義捐金を募り、合計で120万元の寄付を行いました。これからもどんどん社会貢献事業は拡大していきたいと思っています。

 

──北川先生はかつて中国日本商会の会長を担当なさっており、いまも副会長を担当なさっていますが、今の中国の投資環境をどうご覧になりますか。改善しなければならない点はどんなところでしょうか。日本企業が中国で投資する場合の注意点はどんな点でしょうか。

 

中国を取り巻く投資環境は5年、10年前に比べてずいぶん改善されたと思います。非常に投資しやすい環境になってきていると思います。問題があるとすれば、中国はまだまだ発展を続けている途上の国ということもあり、その法整備が不十分な部分もあって、今いろいろな整備をしようと進めています。ということで、チャイナリスクと言いますか、我々日本企業を含めた外資企業から見たときの一つのリスクは、投資を取り巻く企業にとっての法制度が非常に目まぐるしく変わるということです。これは外資企業にとって大きな問題になりますので、一つの問題点と言えます。

そして、事業を始めるに当たっては、すべてが許認可制になっているので、国だとか、省だとか、市の許可を取らなければなりません。これにやはり時間がかかります。5年、10年前に比べれば、ずいぶん改善されていますが、まだまだ他の国と比べると、相当長い時間がかかります。これをぜひスピードアップしていただきたいと思います。

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