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「困った時はお互いさま」中日関係の未来が見えた
発信時間: 2008-07-07 | チャイナネット

(東洋学園教授 朱建栄=文・写真)

5月25日夜、東京の六本木ヒルズアリーナで、四川大地震チャリティーコンサートが開かれ、日本と中国のミュージシャンや歌手30人以上が4時間近くの熱演をした。このイベントについて日本のテレビ、新聞、そしてネットも、こぞって大きく伝えた。コンサートは黙祷で始まり、アグネス・チャン(陳美齢)さんは両国の出演者を代表して挨拶し、「四川の被災者の皆さん、頑張れ」と大声で叫んだ。その声に千人以上の人々がいっせいに呼応した。

四川大地震のチャリティーコンサートで挨拶する筆者(左端)

チャリティーコンサートに出演したアグネス・チャンさん(右から3人目)ら

ミュージシャンたち 中国駐名古屋総領事館の李天然総領事(右)は日本の国際緊急救援隊の隊員に感謝状を送った(写真・新華社)

クライマックスの一つは帰国したばかりの日本救援隊隊長の登壇のときだった。ある参加者のブログの記録を引用する。

「感謝 日本 堅強 中国」と書かれた紙をコンサート開催中掲げ続けた中国人女性。

国際緊急援助隊の小泉崇団長が四川省での体験を語ると、会場にいた中国人が大声で「感謝!!謝謝!!!謝謝!!!」って叫んだ。一人が叫ぶと、連鎖反応のようにみんなが拍手と感謝の言葉で団長を讃えた。

ものすごく感動して一人で泣いてた私。前にいる女の子にジロジロ見られて恥ずかしかった……

でも、この女性の「紙」や、中国人の感謝の叫びに、何らかの感動を覚えたのは私だけではないはず。

チャリティーコンサートの準備にかかわった一人として、その熱烈な場面を見て無量の感慨がこみ上げた。学者・研究者の一人としてそこに、中日関係の未来を解く鍵も隠されているように感じた。

5月12日の地震発生直後から、一部の中国人有志者と団体はこのコンサートを企画し始めた。私は、開催の一週間前になってそれを知ったが、「在日中国人が主導で日本の支援に感謝し、更なる義援金を呼びかける発想はわかる。ただ、今回の大地震は国境を越えた全人類の関心事だ。日本も救援隊、医療チームを派遣して自分の仕事のようにがんばった。六本木ヒルズは日本の若者のメッカでもある。誤解を避け、両国の共通する立場を示すためには、日中共催の形を取ったほうがいいじゃないか」と提案した。

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