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対岸の火事ではない日本の休漁
発信時間: 2008-08-05 | チャイナネット

 林 国本

NHKの国際ニュースによると、日本全国の漁業関係者が、重油価格の高騰で、遠洋での漁労を一時停止することになったらしい。東京の築地では今後、新鮮な魚の入荷に大きくひびくのではないか、と懸念を示す業者もいる。日本人の生活は魚と切り離しては考えられない。ドミノ理論で想定すれば、日本の一般市民の食卓の献立にもかなりの影響が及ぶことになろう。しかし、このことは決して対岸の火事ではない。中国もアフリカあたりまで遠洋漁労のために漁船団を出しているし、近年、中国の遠洋漁業の発展はめざましいものがある。北京市民の食生活にも大きな変化が起こっており、要するに、いろんな食材が手に入るように、北京や上海などでは日本料理のお店、フランス料理のお店、イタリア料理のお店と、世界各国のグルメを賞味することができる時代である。

とはいうももの、このところのグローバルな範囲で広がる原油高、食糧価格の高騰は、徐々にではあるが、じわりじわりと中国にもその影響が押し寄せてきている。

さいきん、知人はクルマを小型車に換えた。ガソリン代の節約のためだ。また、一時期、低所得層の人たちの間では食糧品の価格の高騰が話題になっていた。ラッキーなことに中国はかつてのアジア通貨危機を無傷に近い形で乗り越え、今回も食糧問題で不安にさらされることはなかった。しかし、メディアのトーンの変化を見ていると、今回の世界的な原油高、食糧価格の高騰を決して対岸の火事視していないことが感じ取れる。テレビのキャスターの表情、口調からも、今年の夏の取り入れが豊作であったことを喜ぶ気持ちが感じられる。そして、次の秋の豊作も頑張ろう、という調子なのである。また、中国の全国科学賞の授与で、米の新種の育種で成果を上げた学者が表彰されており、その学者に対するテレビ・インタビューが放映されていることからも、食糧問題にいかに注目しているかが読み取れる。

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