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加藤嘉一:時代と彷徨う中国の「80後」世代
発信時間: 2008-09-01 | チャイナネット

1984年静岡県うまれ。現在、日本国費留学生として、北京大学国際関係学院に在籍。学業の傍ら、中国のメディアで、コラムニスト、コメンテーターを務める。『七日談~民間からの日中対話録』(共著、新華出版社)

 

「巴金や(謝)冰心の文章やスタイルは下手。読むに値しない」6月15日の夜、ユニークな芸能番組で人気を誇る湖南テレビのトークショー『零点鋒雲』で、いま中国でもっとも注目を集める若者の1人が、往年の著名作家たちを糾弾した。彼の名は韓寒。中国人は彼のことを「80後作家」と呼ぶ。

「80後」と聞いて、何を想起するだろうか。狭義では1980~89年、広義では80年代後に生まれた人間のことを指す。2002年ころからメディアに登場し始めたこの言葉、今では流行語と化している。世間はこの世代を「崩れ落ちた」「責任感が無い」「自分勝手」「反逆的」「愚かな」などと揶揄する。私も「80後」に属するだけに、他人事とは思えない。

日本市場にも事業を拡大し、インターネット検索サービスを提供する「百度」で「80後」と入力すると、3730万件出てきた。「80後論壇」「80後現象」「80後創業」など、あらゆる言い回しが目に留まる。それらをテーマにしたウェブサイトも多い。80年代以後に生まれた世代の一挙一動に、社会の目が集まっているということだ。それは、単なる文化的、社会的現象を超えて、ビジネスチャンス、さらには政治的インパクトにもなり得る。

「改革・開放」(1978年)後、「1人っ子政策」の申し子として生まれてきた彼らは、「文革」を経験していない。1989年の北京の政治的風波の後に本格的な教育を受けている。彼らが生きる社会を俯瞰してみると、中国の「特色」のある社会主義でありながら、市場経済が浸透し、人々の価値観や利益は日々多様化している。グローバル化の波が押し寄せ、競争社会の趨勢は激化していく。「私たちは祖国の変革とあらゆる外来文化のショックを直接被った転換の世代よ」。某メディアで働く同世代の友人は言う。

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