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読者の宮田さん:国際金融危機における中国の役割
発信時間: 2008-10-15 | チャイナネット

                         文=宮田聡美

私の学校で先日、日本語スピーチコンテストの校内予選があり、参加学生の中には、「今回の国際金融危機についてアメリカ大統領と話し合い、中国の立場を理解してもらう」という発言があって、大変感心しました…今回の国際経済危機は非常に巨大かつ深刻で、全地球を覆うほどの大事件ですから、少しは情報を得ないといけません。そこで、中国や日本のニュースや解説、評論等をいくつか斜め読みしました。 

その結果、私は、今回の国際経済危機に対し、中国がとっている冷静かつ協力的な対応は、やはり正しいと思いました。中国には「三回考えてその後実行する」という言葉がありますね。私はこの「三回」とは何かというと、「すべきか否か 可能か否か 値するか否か」だと思います。 

つまり、 

①今回の金融危機は、アメリカという「先進金融資本主義国家」に発したものですから、先ずアメリカ自身の叡智を結集して解決努力すべきです。中国は確かに、アメリカの最大の債権国であり、世界第4位の経済体ですが、13億人もの人口を抱える発展途上の国家であり、市場経済の経験もわずが30年という非常に若い国家です。先輩からはまだまだ学ぶべき立場であって、救う立場にはなく、そのような責任もありませんし、「すべきではありません」。(一部の西側諸国は、中国に「英雄救美」の期待をかけているようですが、本音のところは、自分の懐はなるべく傷めずに、中国をおだてて「ババ」を引かせたいのではありませんか。)

②今回の金融危機は、投資家の信心を回復するだけでも、長い時間がかかるようですから、中国が一時的に大量資金を注入したところで、どれだけの効果があるか分かりません。むしろ限りなく「不可能」だと思います。もし大金を投入して効果が出ないなら、中国はとてつもない大損をするわけですが、その時は一体、どの国が、誰が責任をとってくれるのですか。

③第一、中国は、13億人という世界の5分の1の人間を養う国家であり、一握りの貪欲な資本家ではなく、富める者も貧しい者でも、全て人民に対し各々の利益を守るべき国家です。中国政府の責任はチョモランマより重いわけで、大金をドブに捨てるような大博打を軽々しくできるでしょうか。そもそも、この金融危機にそんな価値がありますか。四川省の被災者やミルクの被害者のことを考えますと、私は「値しない」と思います。

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