鄭 東輝(中国国際問題研究所副研究員)
9月24日、自民党総裁の麻生太郎氏が衆議院で首相に選出された。当日夜、麻生首相は組閣に着手し閣僚名簿を発表、68歳の麻生太郎氏は日本憲政史上59人目、第92代の総理となった。
麻生内閣は、日本が内憂外患に直面する難しい時期に舵取りを行うことになる。日本は国内的には、野党が参議院で優勢を占め、与党・自民党の立場にいっそうの挑戦を挑んでおり、政治の火種が色濃く漂っている。国内問題では年金、医療などの社会保障システムのほころびが百出、しばしば生活の安全神話が崩れ、凶悪な治安事件が立て続けに発生、先行きに対する不透明性が日本国民を深い不安に陥れ、社会心理は落ち込んでいる。国際的には、米国の「サブプライムローン危機」に端を発した金融危機がますますエスカレート、世界規模での金融市場の激しい動揺を引き起こし、その勢いが実体経済を巻き込み、世界経済衰退の恐れがある中、対外依存度が高く経済のグローバル化の度合いが大きい日本が直面する世界経済の環境は日増しに厳しさを増している状況だ。このような困難な時期に日本の舵を取り、人々が納得するような日本の未来の青写真を描くことは、自民党の弱小派閥出身の麻生首相にとって、手に余る大きな試練のようだ。
閣僚の構成から見ると、麻生内閣は実際的な内閣である。一方では、総選挙をにらんで一部に新人を起用し、閣僚の若返りを図って有権者の視線を引き付け、もう一方では、自民党内の論功行賞的な古いやり方を踏襲、総裁選の中で功績のあった人々に報いて入閣させると同時に、閣僚の人数で派閥のバランスを保ち、内閣の求心力を強め首相本人の権力基盤を固めることを意図している。
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