同時に見ておかねばならないのは、日本の新指導者の主な任務が戦いの準備をすることであり、やがて行われる選挙の中で決定的な勝利を収め、ねじれ国会における与党の「レームダック」状況を転換させ、自民党の権力基盤に亀裂が入るのを避けてこれを打ち固め、「暫定内閣」と見られた内閣を安定した「長期政権」へと変えることだという点である。換言すれば、政府予算案が順調に通過するか否か、衆議院選で勝利できるか否かが、麻生内閣の存亡に関わる最大課題だということだ。揺れ動く日本の政治で、日本の指導者は選挙戦と国内問題にエネルギーを集中することになるだろう。こうした状況のもとでは、日本が対中政策により多くの政治的情熱を傾けるのは難しい。中日関係など重要な二国間関係の平穏な発展を維持することが、日本の新内閣の賢明な上策となるに違いない。日本が政治の季節の中にあるとき、中日関係が大きく前進し、劇的な進展を遂げることを期待するのはどうも高望みのようである。新ラウンドの中日関係の幕が切って落とされるのは、日本の政界が安定して落ち着き、その行方が明確になったあとだろう。
実際のところ、麻生内閣が中日関係を引き継いだのは幸運な時期だった。さまざまな曲折を経て、両国指導者の「氷を砕く旅」、「氷を溶かす旅」、「春を迎える旅」、「暖春の旅」によって中日関係は泥沼から脱け出すとともに、両国はすでに戦略的互恵関係の構築について共通認識に達し、新世紀の中日友好の船は波を蹴立てて進む羅針盤を具えているのだ。麻生内閣は政権をバトンタッチされると同時に、大幅に挽回した中日関係の豊かな資産をも継承している。この資産をいかにうまく運用して、めまぐるしく変化する国際情勢に対応し、中日の戦略的互恵関係の中身を絶えず充実させ、揺れ動く世界経済、揺れ動く安全情勢のもとで日本の国益を守り、中日両国が共に利益を上げ、共に勝ち取り、地域協力の末永い発展を推し進めていくかが、引き続き日本の新内閣が直面している大きな課題であり、新内閣が対外関係で何らかの成果をあげられるか否かの試金石でもある。
「北京週報日本語版」より2008年10月10日 |