日興コーディアルグループの電子製品アナリストは、「これ(パナソニックの三洋電機買収)は理にかなったことだと思う。リチウム電池事業が協力の重点になってくる。三洋は今世界最大のリチウム電池メーカーで、パナソニックは4番目か5番目だから、今回の合併で一気にこの分野のトップに立ち、他の競争相手を寄せ付けないだろう」と指摘する。
三洋電機は太陽電池事業で業界をリードしているが、投資面を支援してくれるパートナーをこれまで求めてきた。一方のパナソニックは急成長しているこの分野にまだ参入していなかった。両社は白物家電や電子製品では直接的なライバルだが、三洋電機の貧弱したこの分野の事業は再編が必要になりそうだ。
これに脅威を感じた東芝やNECなどの競争相手も、似たような買収協議を進めている。これに対し、アナリストは「三洋とパナソニックのような大規模な合併はしばらくはないだろう。その理由は三洋の特殊な株主構造にある。06年に三洋が三井住友銀行、大和証券SMBC、ゴールドマン・サックス(GS)に優先株を発行し、この優先株は普通株に換算すると約70%に相当する。これは、パナソニックがこの3社の株主と協議して簡単に三洋を買収できるということだ。パナソニックは普通株を公開買付けせずにすむが、会社整理の問題に直面するだろう」と指摘する。
パナソニックの三洋電機買収が確実になれば、業界の整理は加速するものの、買収が相次ぐことはないだろう。「一カ国の一業界には多すぎるほどの企業が存在しているが、これは今に始まったことではなく、こういった状況はもう10年以上も続いている」とアナリストは話す。
「人民網日本語版」2008年11月6日
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