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中国人作家の日本訪問記①「007」に間違えられる |
発信時間: 2009-05-11 | チャイナネット |
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文=劉方煒 先ごろ、私と友人の盧さんは招きに応じて日本を訪問した。5日間という駆け足の行程ではあったが、有名なシンクタンクの首脳陣や東アジアの事務を担当する官僚と対話する機会があり、国会の諮問会議を傍聴することもできた。 「007」に間違えられる 成田空港では、30歳代の女性が私と友人の名前をピンインで書いた紙を掲げて出迎えてくれた。彼女は私たちの姿を認めると、礼儀正しくお辞儀をした。駐車場に着くと、ダークカラーのスーツを着た立派な風格の背の高いやせた中年の男性が、私たちに向かって同じように丁寧にお辞儀をした。彼の名は逢坂隆さん。東京滞在中、私たちの運転手を務めてくれるという。 車の中で、通訳の女性は自己紹介を始めた。彼女の名は吉田貴子さん。東京翻訳協会から派遣されたフリーランスの通訳者だという。そして意外なことを言った。「お二人のような身分の方の通訳をするのは初めてです。行き届かない点がありましたらいつでもおっしゃってください。ご希望に応えられるよう努力いたします」 私たちは尋ねた。「私たちの身分に何か問題でも?」 吉田さんは慌てて説明した。「お二人がどういった方々なのか謎に包まれているものですから。これまで中国からのお客様の通訳を担当する場合は、事前にお客様に関する簡単な資料を手にしていました。しかし今回はお二人のアルファベットの名前しか知らされず、漢字の名前さえ分かりません。ですから、お二人はきっと特別なお客様なのだろうと思ったのです。高官かあるいは……」 「007、そうでしょう?」私は彼女に代わって言った。 「そうです、007。お二人は特殊任務を帯びているに違いありません」吉田さんは注意深くそう言った。彼女の額にはたくさんの汗粒が浮んでいた。 私たちは大笑いした。訪日前、盧さんは日本の招待側に対し、小規模な交流や討論を行うだけで、講演やマスコミの取材は受けないという要望を出していたため、このような誤解が生まれたのかもしれない。 私たちは彼女に、私たちは作家であること、今回の訪日の目的は学術交流であることを告げたが、彼女は信じようとせず、それは「隠れ蓑」だと断じた。 ここから、中日間の民間の溝をうかがい知ることができた。 |
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