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日本で頭角を現す中国文化の「ソフト・パワー」
発信時間: 2009-05-13 | チャイナネット

「日本新華僑報」はこのほど、「中国文化のソフトパワーが日本で頭角を現し始めた」とする記事を掲載した。以下は記事の抜粋。

 

日本の麻生太郎首相は4月末、訪中時間30時間という超過密スケジュールの中、中国の映画監督・馮小剛氏と懇談し、世間の注目を集めた。麻生首相は懇談中、北海道の美しいシーンが半分にわたって使われた馮監督の最新作「非誠勿擾(邦題:冷やかしお断り)」に触れ、「日本のPRにもなったし日本旅行のPRにもなった」とこれをたたえた。中国文化の一角である中国映画が日本の首相の関心を引くことができたのは、中国の「ソフト・パワー」が日本で頭角を現し始めた証しだと言える。

 

文化的な価値の影響力は、一国の「ソフト・パワー」の重要な構成要素である。中国文化はこれまで、多くの分野で日本社会の発展に極めて大きな影響を及ぼしてきた。仏教や儒教は漢字の書物を通して日本に導入された。中国の稲作技術の導入は日本農業の生産方式の根本的転換を促した。日本の経済界人は「孫子の兵法」をビジネスの秘伝書と見なし、「三国志」や「水滸伝」などの古典も日本で高い人気を誇る。李白の代表的な詩「静夜思」は中国とは少し違うバージョンで日本でも知られている。これらは全て、中日文化交流の歴史を示す輝やかしい事実だ。

 

中日両国の文化的交流はここ数年、急速に深まっている。日本の社会生活と密接に関わるコマーシャルに中国のスターが登場することも、日常茶飯事となった。例を挙げると、ジャッキー・チェンは、日本の女優・上戸彩がCMキャラクターを務める大塚製薬の健康飲料「オロナミンC」の広告にゲストキャラクターとして出演している。また、上海に住む香港人歌手カレン・モク(莫文蔚)は、和服に身を包み、日本の某ブランドのパック(化粧品)CMキャラクターになった。陳慧琳(ケリー・チャン)は、日本のスター歌手・浜崎あゆみの後を継ぎ、花王の化粧品「オーブ」のCMキャラクターに起用された。

 

日本中のどこにいても、流行中のどんな小さなものにも、中国の「ソフト・パワー」の痕跡が垣間見られると言っても大げさではない。過去に中国文化の「ソフト・パワー」が日本に入ったケースは、遣唐使の派遣のように日本人が自ら導入して消化したパターンがほとんどだったのに対し、現在は、中国が積極的かつ能動的に日本に「売り」に出てきている。

 

日本の福田康夫元首相が中国を訪問した時、孔子の生誕地を訪れた。この地は、中国文化の「ソフト・パワー」の発祥地と言われているが、伝統的な雰囲気が濃厚な場所である。麻生首相が今回、北京で馮監督と懇談したことは、中国文化の「ソフト・パワー」のモダンな側面に光をあてることとなった。中国の伝統的な「ソフト・パワー」は、日本社会の政治、思想、制度などに深い影響を及ぼしたことから、元首相が「百聞は一見に如かず」と自ら現地を見に行った。一方、現在の「ソフト・パワー」は、日本の旅行市場、経済回復、人的交流に対して大きな利益をもたらす。現首相が感謝の意を伝えたのは、このことによる。

 

中国人が自らの「ソフト・パワー」に注目し始めたタイミングで、麻生首相と馮監督の懇談が行われたことは、人々にとってもよいヒントになった。日本で頭角を現し始めた中国流行文化の「ソフト・パワー」に関して言うならば、適切な方法を模索し、積極的かつ能動的に日本社会に参入し定着し、日本という要素によってこの「ソフト・パワー」に磨きをかけ、これをさらに魅力あるものとすることだ。中日関係はこれによってさらに発展していくことだろう。

「人民網日本語版」2009年5月13日

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