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09年版の日本『防衛白書』 軍事力整備・軍備拡張を狙う新しい前奏曲
発信時間: 2009-08-03 | チャイナネット

第4に、09年版『防衛白書』には、中国の国防近代化建設に対する根深い緊張感と猜疑心が依然として表現されている。白書は、中国の国防政策や国防近代化建設をめぐる分析や評論が全編を通した重点となっていると言える。2年前の白書に比べて、09年版『防衛白書』は、より多くの字数を費やし、大きな紙面を割いて中国の軍事力と軍事的意図について論評し、多くの図表資料を利用して中国の国防近代化建設の成果、特に海空軍力の建設と発展について強引に憶測し、わけもなく非難している。白書の中国の国防近代化建設に対する推測と批判は、一部の日本人が中国の近代国家の全面的建設の内容や意義について正確な理解を欠いており、中国の国力増強や国家利益の開拓をはっきりと認識できず、独立自主の平和外交政策を遂行し、調和のとれた世界の構築を推進するという中国の戦略思想に対し、依然として賢明な共感を欠いていることを改めて1つの側面から反映したものである。いまひとつの角度から見ると、白書の中国の国防建設に対する焦慮と警戒心は、対中外交における日本の従来からある矛盾した心理状態が表面化したもので、今でも中国の発展に用心し、これを警戒、牽制しようとする考えを放棄していないことを示している。

 

09年版『防衛白書』の発表は、ちょうど日本の衆院解散の前夜に当たる時期だった。総選挙がまもなく行われるに当たって、09年版『防衛白書』に盛り込まれた新しい内容は、総選挙に参加する各政党にとって、今後の日本防衛政策の方向性を議論する契機となるだろう。日本国内の経済成長及び社会保障制度の改革は有権者が注目する主な焦点となることが予測できるが、日本の安全保障政策に関する青写真の提出は、与野党の主な政党が避けて通ることのできない課題である。自民党の劣勢が激しくなり、民主党の勝算が高くなる情勢の下で、総選挙終了後、日本で起こる政権交代ないしこれによって誘発される新たな政界再編の確率は大きくなっている。今後の日本の新内閣が09年版『防衛白書』の内容や視点をどのように各政党の政見と整合させていくかは、非常に興味深い問題である。当面の日本内外の状況から見て、各与野党の政治傾向はもとより異なったものであるが、どの政党が政権を執ったとしても、日本の安全保障戦略に根本的な変化は生じ難く、日本の防衛政策は依然としてかなりな程度、持続性を保っていくだろう。

 

今後5年間の日本防衛力体系の整備を規範化し、導くため、日本は今年末に新『防衛計画大綱』を改訂することにしている。09年版『防衛白書』が新『防衛計画大綱』の策定に及ぼす影響は注目に値する問題の1つである。09年版『防衛白書』の発表は実際には、新『防衛計画大綱』の登場に向けた世論作りをするためであり、今後5年間の国防費支出を増加させるための準備が目的だと多くのアナリストは見ている。

 

実は、09版『防衛白書』のより実質的な影響力は、白書における一部の新しい内容と新しい表現法が、日本がこれまで公言してきた一部の防衛原則を実質的にすでにあいまいにし、改正したという点にある。年末に改訂される新『防衛計画大綱』で人々の予想通りに、白書における考え方を今後の日本の防衛整備の指針とするなら、それは日本の防衛政策の大きな調整を意味するだろう。

 

“鳩(ハト)派”をもって知られ、総選挙での勝算の呼び声が高い日本の最大野党・民主党は、自分たちが政権を執ることができれば、防衛政策において “現実路線”をとると、09年版『防衛白書』の発表と同時に期せずして表明した。民主党代表の鳩山由紀夫氏は米国との間で“非核三原則” (核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず)を再論議するとまで公言した。日本最大の財界団体「経団連」は日本政府に報告書を提出し、「武器輸出3原則」を再検討するよう提言した。一連の状況から、09年版『防衛白書』の発表は、日本の防衛政策が敏感な調整期に突入していることを示しており、その行方を注意深く見守る必要があると信じている。

「北京週報日本語版」2009年8月3日

 

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