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李長声:書字方向から日本の二重性を読む
発信時間: 2009-08-17 | チャイナネット

日本で最も基本的な3種類の辞書である国語、漢和、英和辞典は、書店に100種類以上並べられている。このうち、英和辞典は横書き、国語辞典は縦書きがこれまで一般的であったが、最近変化が見られる。集英社は3種類の判型の『国語辞典』を出版しているが、中辞典のサイズで初めて横書きを採用した。辞書出版老舗の三省堂刊行の『新辞林』も横書きを採用し、現代的な感覚を添えている。

 

ほぼ全ての雑誌は縦書き

出版物のスタイルの変化は、ワードプロセッサ、テレックス、コンピュータなどの普及によってもたらされた。日本の『毎日新聞』に掲載された調査結果によれば、横書きの辞書を使いたいと思う人は14%、使いたくない人は22%、どちらでもよいという人は60%以上に達した。当分の間、技術の発達が人々の心を変えてしまうと懸念する必要はなさそうだ。

興味深いのは、国語辞典で横書きのスタイルがもてはやされているのに対し、20年間横書きを採用していた経済週刊誌が縦書きに変わったことだ。恐らく読者の「大和魂」に訴える意図があるのだろう。このように、日本ではほぼ全ての雑誌が縦書きとなっている。また、全ての企業で書類は横書きとなっているが、社員が手紙を書く場合、特に40歳以上の人は相変わらず縦書きスタイルを用いる。

中国においても、繁体字と簡体字、縦書きと横書きの並存のように、日本の二重性と似たような現象があり、評価は人それぞれだ。だが、恐らく中国では広く認められないだろう。なぜなら我々中国人は統一性、均一性、一貫性を持つもののほかに、画一的であることを好むからだ。日本人の二重性は賛否両論あり、評価も二重となっている。(李長声著『日下書』から抜粋。上海人民出版社より2009年3月出版)

「チャイナネット」 2009年8月17日

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