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青年交流にかけた思い~顔が見える交流が一番
発信時間: 2009-10-09 | チャイナネット

■「根っこが同じだ」と発見

日中両国の青年親善交流事業は毎年、両国でそれぞれ派遣団を召集して派遣している。毎回、団の発足とともに、団員全体の叡智を凝縮したキャッチフレーズが決まる。今回の派遣団のキーワードは「「以心伝心、心心相印~心重ねてともに未来へ」。

果たして、訪問を終えて、どのような感想を抱いているのだろうか。

京都府の森成徳さんは山西省大同市での環境緑化の視察を振り返り、「貧困改善と緑化の両立を目指す取り組みに感銘を受け、参考になりました」と満足げな表情を浮かべた。

東京都多摩市の伊藤洋平さんは、民間企業を訪れた時、「企業は社会のためにある」と語った社長の言葉に感銘を受け、今の日本では聞かなくなった発言だと話した。

こうした具体的なプロジェクトや企業で受けたイメージもあれば、現地の人々との触れ合いで受けた感動も多かったようだ。

山西大学での中国人学生との交流会から刺激を受けた、大阪府の深田智世さんは、「中国の大学生は、中国について質問すると、何でも答えてくれました。自分の国に誇りを持っているところが、日本と一番違っています」と言い、東京の大田淳也さんは「中国の大学生は勉強熱心で、海外留学したい希望をもっている人が多いが、日本人学生と違って、実際に行ける人が少ないようです。こういう差を知って、自分もより頑張らなくちゃと思いました」と話した。

また、中国で暖かい歓迎を受けたことに感銘を受け、中日は違いがありながらも、共通しているところもあると思いを新たにした団員も多かったようだ。

副団長でもある林亜有子さんは、「(人々が)本当に心を込めて受け入れてくださったことが身にしみた。中国の方たちと長くお付き合いして行きたいと思います」と微笑んでいた。

福岡県の水上理恵さんは、都市部と農村部の人々の対日イメージを知りたくて応募したようだが、「都市でも農村でも人々は友好的に接してくれました。帰国後、皆さんの気持ちに応えて、自分も頑張っていきたいです」と話し、「山西や寧夏は日本と遥か離れているのに、食事も文化も似ていると感じました。根底が一緒なのだなと思えました」と感銘を受けた様子だった。

一方、慶応大学修士2年の太田淳也さんは「15日間だけでは、断片中の断片しか中国を把握できていません」と未練を残したものの、「日本人と中国人は違いがあるものの、根っこが同じところにあることに気づきました」と実感のこもった発言をした。

ちなみに、中国から帰国後、またすぐに中国留学に戻る予定の団員もいる。訪問団団員名刺の裏に、笹を食べているパンダのイラストを描いた青山さんだ。これまで、7年間、能の稽古を続けてきた青山さんは、今回も一連の交流会で能の実演を披露して大活躍した。10月からは、中国絵画の勉強に杭州での留学が決まったという。

青年交流は、より深く、より広い大きな相互理解の窓を開けたといえる。

「訪問日程はこれで終わりましたが、中国人との交流はこれからなのです。」

安藤昌弘団長が交流会で語った言葉でした。まさにそれを裏付けた団員たちの感想だった。

昨年末、第30回の派遣団で訪日した中国青少年発展基金会の楊暁禹常務副秘書長は自らの訪日体験で受けた感動を振り返り、「インターネットの時代とは言え、やはりお互いに顔が見える交流が何よりです」と、交流の意義を語った。

■国民の相互理解への期待

安藤昌弘団長(写真)によると、日本における青年交流事業は1959年の皇太子ご成婚を記念してスタートしたもので、すでに50年の歴史がある。この中には、1974年からスタートした「青年の船事業」も含まれ、中国や韓国との交流が重要な位置を占めている。交流事業の体験者は全国各地に分布しており、その数は1万数千人に達している。

安藤団長は青年交流事業を「種をまき、育て、発芽させ、花を咲かせ、実を実らせる息の長い仕事」と例え、「アジア、あるいは中国に自分の親しい人ができて、何かあるときに互いに連絡を取り合っていく。そういうものがどんどん広がっていけば、相互理解と友好親善が深められ、交流も進んでいきます」と話しました。また、かつて、青年交流に参加した団員たちは、その後も同窓会などをつくって、連絡を保ち続けていることを「まさに最初に期待していた事業目的です」と、顔をほころばせた。

一方、中日の青年交流に大きな期待を寄せているのは日本だけではない。中華青年連合会の倪健主席補佐は、「これまでの30年、中国も発展してきましたが、日本も発展がありました。青年たちの理解が深まるかどうかは、国民の相互理解につながっています。今後とも交流が一層深めていけたらと思っています」と熱く語った。

「中国国際放送局 日本語部」より 2009年10月9日

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