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早稲田大学の毛里教授「意識的な努力が必要」
発信時間: 2009-10-28 | チャイナネット

北京で行われた「大平正芳元首相生誕100周年記念シンポジウム」では、早稲田大学の毛里和子教授が記念講演を行った。

講演で毛里教授は中日関係を、1972年の国交正常化から70年代の「戦略的友好期」、1980年代から90年代半ばの「安定期」、1990年代後半から2005年の「構造変動期」、2006年以降の「脱72年体制期」の4つの段階に分け、1972年から2007年の35年間の中日関係は、「条理より情理」「非制度性」の特徴があり、リーダーの人格的な関係に頼るところが大きかったために脆い一面があったと指摘した。

また2007年と08年の温総理と胡主席の訪日を高く評価し、「戦略互恵関係を全面的に推進する共同声明」によって両国の対話チャネルの「制度化」が進展を遂げ、アジア地域の中の日中関係が次第に構築されつつあると語った。

 

 「チャイナネット」は講演後に毛里教授にインタビューし、大平正芳元首相や中日関係の現在や将来について話を聞いた。

――大平首相の業績の中で、特に中日関係を発展させた実績で最も印象深いのはどんなことですか。

毛里:大平氏の日中関係における非常に大きな貢献というのは、中国の開放政策を大いに援助したことです。その時に中国は「四つの現代化」の実現がまさに始まったころで、その時に首相は、日本からの援助やいろんな機械を提供し、中国の近代化を大いに助けました。この点での貢献は大きいと思います。

――日本の政権は大きく変わりましたが、民主党政権は中日関係にどんな影響があるでしょうか。また今の中日関係をどんな状態だと考えていますか。

毛里:民主党の登場は、たぶん日中関係にとっていいことの方が多いと思います。色々とよくないこともあるかもしれませんが、両方を考量すると、いいことのほうが多いです。

日本外交は米国も非常に大事ですが、民主党自身は米国だけではなく、今度はアジアの国々とも真剣に付き合わなくてはだめだということをよく知っています。ですから一方で米国と外交をしながら、一方で中国をはじめとするアジアの国々と一生懸命に関係をよくしていくための努力をするでしょう。

――中日関係の見通しと中日関係への期待について聞かせてください。

毛里:日本と中国の間は、やはりそんなに単純ではないです。複雑な歴史の問題もあるし、両方に競争心もあります。そんなに仲良くなれるという関係でもないので、やはり意識的に関係をよくする努力をする必要があります。

そのためにどうしたらいいかと言うと、例えば環境問題では日中が協力できるところがかなりあり、技術協力であれ人材協力であれ、日中、そして日中韓の協力事業をいくつか作り上げていくことが大事です。その中に東アジア大学院大学の構想や、文化の協力も含まれますが、要するにそういう意識的な努力が必要です。

「チャイナネット」 2009年10月28日

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