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歴史的飛躍を図る中日韓三カ国間の協力
発信時間: 2009-10-28 | チャイナネット

                    時永明(中国国際問題研究所副研究員)



 第2回中日韓三カ国首脳会議が10月10日に北京で行われた。今回の会議がとくに注目されたのは、三カ国首脳が10年にわたって協力を企図し進めてきたからばかりでなく、より重要なのは、米国の金融危機、日本民主党が戦後に長期間政権を握ってきた自民党からの政権交代を実現したこと、中国の台頭など多くの重大な歴史的要因の出現によって、三カ国協力が新たな歴史的段階に引き上げられることができるかどうかに人々が関心を寄せるようになったことだ。しかも今後の三カ国協力の方向性は地域と世界の政治と経済の枠組みに重大な影響を及ぼすに違いない。

戦略的方向性を明確にする

第2回中日韓三カ国首脳会議は主に歴史を総括し、将来を計画し、今後の方向性をいっそう明確にし、原動力を強化した。会議で採択された「中日韓協力10周年を記念する共同声明」から見て、三カ国の首脳は今回、戦略的高度に立って、三カ国協力の意義及び相互関係の認識を深めることに重点を置いている。戦略的方向性から見てみると、三カ国は初めて「東アジア共同体構想の構築という長期目標」を文書に盛り込んだ。客観的には、東アジア共同体の構築にはまだたくさんの問題を解決する必要があるため、決して一挙に成し遂げられるものではなく、東アジア共同体の具体的な構想に対しても意見の不一致が存在しているものの、共同体意識の絶えざる強化及び目標の明確化は今後の三カ国協力の重要な基礎と原動力となっている。

もちろん、このような「共同体意識」はフィクションあるいは空想上のものではなく、必ず実際的な中身があるに違いない。冷戦後の東アジア地域の歴史は即ち、政治的に分裂した地域から和解に向かうと同時に、協力と経済が急速に発展する過程であった。しかし、政治と経済の発展はアンバランスであり、経済の急速な発展によって自然に政治関係の深化と緊密化が進むことはなく、逆に、国力の対比の急速な変化によって、戦略的に相互間の猜疑心が強くなり、以前の地域戦略構造及び歴史、領土などの問題がこのような猜疑心をいっそうつのらせた。これによって、経済関係が日ましに緊密化している状況の下で、中日韓三カ国間の戦略的政治関係は常に不確定な状態にある。これは地域の長期的安定と繁栄にマイナスの影響を及ぼしている。10年来、中日韓三カ国協力もまさにこのような背景の下で、粘り強く前に進んできた。今回の首脳会議はこのような状態の終結をはっきりと示した。共同発展、共同繁栄を狙う共同体意識は現実的な政治関係に対する解釈に現れており、声明では、三国間は「安定した戦略的な相互信頼を構築し、互いにWIN-WINの協力パートナーと見なし、互いに相手国の平和的発展を支持し、これを契機と見なさなければならない」と具体的に表明した。

三カ国の政治関係の戦略的情勢が日ましに緊密化していると同時に、三カ国も経済協力のテンポを加速し始めた。中国の温家宝総理は会議で、「中日韓三カ国自由貿易区の共同研究の推進を急ぎ、バランスが取れ、実務性が高く、WIN-WINを目指す中日韓投資協定に早急合意する」と提起。日韓両国もこれに対して前向きの態度で臨んだ。日本の鳩山由紀夫首相は、三カ国が同投資協定を結ぶことができれば、三カ国が今後自由貿易協定或いは経済パートナーシップ協定に調印するために基礎を築くことができるだろう」と示した。冷戦後の東アジア地域における雁の群れの形をした発展モデルにおいて、日、韓、中三カ国はそれぞれ先頭部、中間部、後部の3つの部分にあり、経済面でうまく補完し合ってきた。ここ30年来の経済発展を経て、三カ国の経済発展水準の格差は明らかに小さくなってきた。これによって三カ国が自由貿易区の創設を模索するための条件が整えられた。中日韓三カ国の規模経済総量は全世界の約5分の1、東アジア地域の70%を占めており、三カ国の経済の絶え間ない緊密化は、世界経済の枠組みに重要な影響を及ぼすだろう。

中日韓三カ国協力はよりよい情勢を示し始めたばかりでなく、メカニズム化の整備でも前に進んでいる。既存の協力計画のほか、今回の会議で、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、三カ国協力の一層のメカニズム化を目指して、三カ国協力事務局を設置するという提案をした。三カ国はまずサイバー事務局を設置し、近代的な技術を生かしてメカニズム構築のテンポを加速することに同意した。

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