冷戦後の東アジア協力においてASEAN諸国は一貫して主導的な力という役割を演じており、「小さい馬が大きな馬車を引く」という局面が形成されている。このような局面の形成には主に2つの原因がある。一つは、冷戦後四分五裂の状態となっている東南アジア地域は東アジア地域協力にとってまず解決すべき問題であることだ。歴史的に見て、大国勢力の介入は従来、東南アジア地域の不安定をもたらす重要な根本的原因の一つであった。そのため、東南アジア地域の統合は東南アジア自らがやり遂げるべきだ。従って、ASEANの発展、ASEAN共同体の構築を支持し、またこの過程において安定したASEANと大国との関係を樹立することは、地域協力を推進する最も重要な任務である。二つ目は、東アジア地域の重要な二大国である中国と日本の間で安定した戦略的な関係が欠けているため、安定して役割を共同で果たすことが難しい。過去の10+3協力構造において、中日韓三カ国は一枚岩ではなかった。これが一定の割合その役割発揮を制約してきた。今日、中日韓三カ国の間で安定した協力メカニズムが形成されており、これは東アジア協力に新たな凝集力と推進力が形成されたことを意味している。中日韓三国のGDPは東アジア地域の70%を占めており、三カ国が統合を実行することができなければ、東アジア共同体の構築は空論にすぎないと言える。このため、三カ国協力の絶え間ない深化は、東アジア地域協力進展の極めて大きな推進力となり、地域と世界の構造にも深遠な影響を及ぼすことは間違いないだろう。これは歴史的過程であり、われわれが絶えずこれを推進し、擁護するよう努めていかなければならない過程でもある。
「北京週報日本語版」2009年10月28日
|