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米メディアが日本支局を閉鎖 中国の影響力が日本を越えた?
発信時間: 2010-01-08 | チャイナネット

米誌「タイム」は8日、東京の六本木ヒルズにある東京支局を閉鎖する。昨年春には「ニューズウィーク」が閉鎖、12月にはブルームバーグLPに買収された「ビジネスウィーク」の東京支局も、ブルームバーグLPの支局に統合されている。

支局の閉鎖に伴い、「タイム」の常駐の特派員と編集者各一人が解雇された。今後「タイム」は非常勤記者や専門家を雇用して取材を行い、日本での販売や広告部門は存続する。

「タイム」の日本支局は、1945年の第二次世界大戦後に設立された。

米国から始まった世界金融危機は、歴史あるメディアの経営にも大きな衝撃を与え、各業界の企業の業績が下がったことで広告費が大幅に減り、新聞社や雑誌社の2009年度は巨額な欠損が出た。そのため苦しい経営に対処して、リストラや機構の経費削減などのを実施している。

関係者は「経営の危機は米メディアの日本撤退の要因の一つだが、全ての問題を説明できるわけではない。またこうしたメディアは中国で新たな支局を設けており、一方で欧米メディアにとって中国の影響力が日本を上回り、報道の重点が徐々に中国に傾いていることを証明している」と分析する。

「朝日新聞」は7日の記事で、「ワシントン・ポスト」の記者をしていた学習院女子大学の石澤靖治教授の話を引用し、米国のメディアが日本から撤退しているのは、米国の歴史ある活字メディアの業績低迷や日本のニュース価値の低下、中国の台頭という3つの要因で、日本を知る記者が減ることは日本にとって莫大な損失だとしている。

またあるメディア関係者はこの機会を借りて「記者クラブがあるために、海外のメディアは与党や政府の記者会見に自由に参加できない」と猛烈に非難する。今、海外のメディアが中国に関する報道を多く書いているのは中国の経済発展が背景にあるが、同時に記者クラブがない中国では、取材が比較的容易だということを認めなければならない。

記者クラブは日本特有の組織で、首相官邸や政党、政府の各部門、業界団体などの組織に設置された記者室を取材拠点にしている、特定の報道機関の記者が構成する組織のことで、非常に排他的で報道を寡占し閉鎖性があると、長い間、内外の批判を招いてきた。

上記のメディア関係者は、海外のメディアは記者クラブに対してまず怒りを表すが、そのうち感覚がなくなり、最後には撤退すると言いこう続ける。「100年余りの歴史があるメディアの支局がいったん東京を撤退すれば、もう二度と帰ってくることは多分ないだろう」

「チャイナネット」 2010年1月8日

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