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日本へ世界へ広がる孔子学院(特集)
発信時間: 2010-02-25 | チャイナネット

タクシーで家に帰れるように

春木克之さん(44歳)は、片山さんのクラスメートである。しかし、彼が中国語を学ぶ目的はもっと単純だ。それは、中国でタクシーに乗るとき、行き先をはっきり言えるようにしたいからなのだ。

春木さんは、建築材料関係の仕事をしている。中国との最初のかかわりは、上海のある大規模建築プロジェクトだった。その後、彼は会社から上海に派遣された。しかし中国語はまったくできなかったので、仕事のときには通訳を介して意思疎通した。

だが、日常生活では、自分で何でもしなければならない。簡単な日常使う言葉を少し学んだとはいえ、彼が遭遇するさまざまな面倒なことに対応するには、まったく役に立たなかった。

まず、家に帰ることである。上海は広く、交通網は縦横に、複雑に走っている。春木さんにとってもっとも便利な交通機関は、やはりタクシーである。しかし、彼の発音は悪く、タクシーの運転手に、自分の家の住所を正確に言うことができなかった。どういう道を通って家に帰ればよいかもわからなかった。だから「タクシーはいつも、私の家からずっと遠くに停まり、最後は長い距離を歩いて帰るしかなかったのです」と彼は言う。

さらに食事でも苦労した。あるとき、彼はスーパーで、水餃子のバラ売りを買ったが、数字をはっきり言えなかったため、売り子がくれた水餃子はなんと100個もあった。「それから私は1週間、毎日餃子を食べるほかはなかったのです」

こうした悩みを解決しようと春木さんは、帰国後、中国語を学ぶ決心をした。しかし、数ある中国語教育の学校の中で、彼はどうして工学院大学の孔子学院を選んだのか。

「新宿は交通が便利。それに工学院大学の孔子学院は、中国政府と日本の大学が共同で運営しているので、安心できます。しかもここでの教育は、単に言葉を教えるだけでなく、中国の伝統文化や民俗習慣を教えてくれるので、学ぶ者には興味があります。翌日朝早い授業があると思うと、その晩はあまり酒を飲まないようにしています」と春木さん。

現在、春木さんは上海に、自分の会社を立ち上げた。中国に行くたびに、彼は新しいことを体験し、それが新しい考えを促す。当然、面倒なことも少なくない。彼が話したことを、通訳が間違って訳してはいないか、チェックしなければならないし、日本の商習慣とまったく違う中国流の商習慣にも慣れていない。もっとも大きな悩みは、中国が日進月歩の速さで発展し、自分の中国語のレベルが向上するスピードが中国の変化に追いつかないことである。

しかし今は、彼はタクシーを自分の家の前にぴたりとつけさせることができるようになった。

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