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中米で違う対応 中国人をごまかすトヨタ?
発信時間: 2010-03-05 | チャイナネット

リコール問題で社長が自ら訪中しなければならなくなったトヨタ。豊田章男社長は中国の消費者に向かって愛想笑いをし、3度も頭を下げて謝罪した。ところが翌日、米国でのリコール対象車のユーザーには修理期間中に交通費を支払うが、中国のユーザーにはそうしたサービスは実施されないという情報が伝えられると、国内では不満の声が渦巻いた。

米国のリコール対象車はユーザーの家まで出向いて回収。また自ら運転して販売店に届けてくれたユーザーには交通費を支払い、修理期間中は同じモデルの車両を提供する。しかし同じリコールでも中国のユーザーへの待遇は全く違う。それに関してトヨタの関連責任者はこう話す。「今回の中国でのRAV4のリコールでは、中国のユーザーへの補償はない」

だが中国の消費者が関心を抱いているのは、謝罪する姿勢ではない。今回のリコールでトヨタがどのような措置を採り、過失を補って評判を取り戻すかだ。

米国と中国での異なる対応は、トヨタの中国の消費者への謝罪と誠意が足りないことをはっきり示した。トヨタがリコールを実施したあとに行われた国内のネット調査会社の調査では、中国の69.7%の消費者が、「トヨタの態度は、米国政府と世論の圧力によるものだ」と回答している。

中米での対応の違いは、トヨタの謝罪と誠意が不十分である以外にも、中国の消費者の合法的な権利を守る意識の不足や、中国のリコール制度の不備を露呈させた。

中国は2004年から世界を参考にリコール制度を実施。これは中国自動車消費市場では大きな進歩だったが、この制度がまだ完全ではないことは否定できない。

まず中国の消費者は、世界でユーザーが受けている品質保証期間中の返品や交換、修理は享受できず、リコールもかなり緩やかだ。それにクルマ社会の国々のように強制の措置は採られない。中国では多くの品質問題が発生すると、マスコミの報道で強力な世論の圧力が形成され、やっとのことで政府は表に出てきて関与する。

トヨタがあえて中米で二重の補償基準を作るのは、中米の消費者の態度が明らかに違い、中国のリコール制度が「強硬」でないことに原因があるからだろう。リコール制度の実施は、消費者への自発的な権益保護であり、メーカーに対して絶えず品質向上を促すことができる。それに社会全体に国民本位の考えを体現し、消費者の権益保護がより高くなった目印になり、自動車購入の促進に役立つ。

トヨタの中米での違った対応は反感を抱かせるものだが、今回のトヨタが中米の対応で見せた違いを通して、私たちは自らの合法的な権利を守る意識や、中国のリコール制度を反省しなければならない。

中国は現在、世界一の自動車消費大国になった。もしトヨタが本当に中国市場を重視しているのであれば、誠意を見せて中米の消費者を同等に扱う必要がある。さもなければうまくやろうとして結果的に悪い結果を招くだけだ。

 

「チャイナネット」 2010年3月5日

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