世界が大きく発展した時期に日本はなぜ成長しなかったのか。金融危機で日本の金融機関の損失は最も少なかったのに、実体経済が悪化したのはなぜか。その原因は、日本の管理された社会が人々の思考と活力を束縛し、日本経済がIT革命とグローバル化の動きに対応しきれなかったことにある。
IT革命は個人に無限大の潜在力を与え、グローバル化は個人に世界の資源を利用するチャンスを与える。国・地域を繁栄させる共通の特徴は開放と寛容である。開放と寛容という条件がそろって初めて、豊富な想像力と多様性が生まれ、積極的に考え、行動する人材が次々と現れる。
工業社会の時代において、日本は官僚の指導、業界の連携、管理された社会に頼って経済の奇跡を実現した。しかし、花見の時間や電車内での行為まで管理するなどし、それにより思考や活力が束縛され、日本はIT革命やグローバル化による恩恵を受けることができていない。
過去20年、日本政府は長期にわたり積極的な財政政策を実施し、政府需要の拡大を通じ経済成長を促進しようと努めてきた。税収が不足していても、金を惜しまず国債を発行し、財政で景気を刺激するという方針を一貫して採ってきた。不運にも、政府需要の拡大策により、日本政府の負債はGDPの2倍に達し、先進国で借金が最も多い国となり、景気を回復させることはできなかった。日本に必要なのは革新、起業、世界とともに活力をつけることである。そのため、管理された社会を打ち破るという前提のもとで景気回復を実現できる。
民主党が政権を握って半年が過ぎたが、政治家は官僚に不必要な警戒感を示しただけで、管理された社会の改革はまだ見られてない。逆に、様々な管理と規則が社会のあちこちに現れ、日本はすでに何をしても何を言っても規則違反となる国になってしまった。
今年の日本のGDPは世界第3位となる見通しだが、管理された社会の中から思考と活力が開放されなければ、20年のうちに日本は4位、5位、さらには6位と後退していくだろう。(周牧之 原題は「ジャパン・アズ・ナンバースリー」)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月19日