菅直人首相は11日、就任後初の所信表明演説を行い、行政改革と経済モデル転換を進め、経済、財政、社会保障を一体的に立て直す「第3の道」を追求することを提唱した。
所信表明演説を行う前の硬い表情の菅直人首相
外交について、菅首相は「現実主義」を基調とし、日米同盟を着実に深化させると同時に、鳩山前首相が打ち出した東アジア共同体構想を進める考えを示した。
経済面では、内閣は6月中旬に新たな経済発展戦略を発表し、2020年度までに実質経済成長率2%の目標達成を目指す。
菅首相は、「90年代初頭のバブル崩壊から約20年、日本経済が低迷を続けた結果、国民はかつての自信を失い、将来への漠然とした不安に萎縮している。国民の閉塞状況を打ち破るため、『第三の道』を追求する必要がある」と述べた。
菅首相によると、60年代から70年代にかけての高度経済成長の時代、日本は政府主導型の公共投資やインフラ整備を中心に行う「第1の道」と呼ぶ政策を進めてきたが、バブル崩壊後にこの道の弊害が現れた。90年代以降、日本は米国式の自由市場スタイルの「第2の道」を追求し、企業が得る利益は少なくないにもかかわらず、失業者が増加し、国民の生活水準が低下し、貧富の差が拡大するという状況に陥った。
「企業は従業員をリストラできても、国は国民をリストラすることができない」と菅首相は述べ、「第3の道」として経済、財政、社会保障の一体的立て直しを図る決意を表明した。また、「経済、財政、社会保障を相互に対立するものととらえる考え方は、完全に変える必要がある」と語った。
菅首相は、経済のモデル転換と発展の新構想を打ち出し、グリーン・イノベーション、健康大国の実現、アジア諸国との連携、特区制度、観光立国、科学・技術立国などの戦略を実施することを表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月12日