黒木健一氏:「三国熱」で中日アニメの協力余地を開拓

黒木健一氏:「三国熱」で中日アニメの協力余地を開拓。 「最強武将伝・三国演義」について、「チャイナネット」は株式会社タカラトミーの黒木健一・アジア事業本部長にインタビューし、中国の会社との協力や周辺製品の開発、今後の中国市場での計画などについて話を聞いた…

タグ: 黒木健一  最強武将伝・三国演義 アニメ 「三国ブーム」 中国 コンテンツ力 活用

発信時間: 2010-06-23 17:15:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

国家広播電影電視総局(広電総局)はこのほど、「2009年度児童向け優秀作品・国産アニメ発展支援特定項目資金」の審議結果を発表し、国産テレビアニメ特等賞に「最強武将伝・三国演義」が選ばれた。

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「最強武将伝・三国演義」は中国中央テレビ局傘下の北京輝煌動画公司(以下、輝煌動画と略称する)とフューチャー・プラネット株式会社(フューチャー・プラネットと略称)、日本の大手玩具メーカーのタカラトミー株式会社(タカラトミーと略称)が共同で制作した大型テレビドラマであり、広電総局が許可した初の中日合作アニメ作品でもある。総投資額は約5000万元で、中国側、日本側がそれぞれ半分ずつ出資している。また具体的な分担については、輝煌動画は総攬や監督、シナリオ全体、音楽を担当し、フューチャー・プラネットは一部のカット割り、タカラトミーは周辺製品の生産を担当する。今年4月4日から、日本のテレビ東京系列のゴールデンタイムで放送されており、中国が制作を主導するアニメ作品が日本のテレビで放送されること自体、画期的な意義があると言えるだろう。

今回の受賞や日本での放送に際して、「チャイナネット」は株式会社タカラトミーの黒木健一・アジア事業本部長にインタビューし、中国の会社との協力や周辺製品の開発、今後の中国市場での計画などについて話を聞いた。

1、合作双方の優位性の相互補完を実現

――当初、中国の会社と協力しようと考えたのはなぜですか。なぜ輝煌動画を選んだのですか。

まず大前提として、弊社は中長期の成長戦略を考えた時、アジア、特に中国市場を開拓することが重要であると考えていました。中国市場への展開を模索していた時に輝煌動画の周鳳英総経理との出会いがあり、中国アニメ産業の振興と日本流のコンテンツビジネスのノウハウを必要としていた中国側と、中国におけるビジネス拡大を目指していた弊社の目指すところが一致したということです。

――日本のアニメは中国の伝統的題材を取り扱うとき、大きく改編するものが多いですが、なぜアニメ版「三国演義」は「原著忠実」という路線をとったのですか。

原作に忠実な分、幅広い年齢層に支持される作品となっており、親の共感も呼びやすいと思います。その意味でも、映像関連ビジネスにチャンスがあると考え、子どもから大人まで楽しめる商品展開を目指しています。

――輝煌動画の周鳳英総経理によると、制作中に中日双方がそれぞれ案を出し、優れた案を選ぶそうですが、中日双方の案をどのように評価するのですか。

キャラクター設計、脚本などは中日共同で行いました。実際の映像制作は中国が行なったのですが、日本では3000から4000枚のフィルムで済ませるカットも10,000から20,000枚で作り上げるという具合で、映画並みの映像クオリティを実現しています。映像制作へのこだわりはとても評価しています。

2、テレビ東京系列での放送 「視聴者から高い評価」

――「三国演義」はテレビ東京系列のゴールデンタイムで放送されていますが、主に中国側が制作を担当するアニメとしては極めて珍しいことです。これはアニメのどのような優位性によるものですか。また、放送後、日本の視聴者からどのような反響がありましたか。

「三国演義」のベースとなる「三国志」は、日本でも多くのファンをもつ、長く愛されている歴史小説です。この親しみのあるストーリーが、中国のクオリティの高い映像技術で再現された「三国演義」ということで、日本のメディアや視聴者から非常に高い評価をいただいています。

また、こういったことが実現したのは、タカラトミーのトップレベルのコンテンツ企業としての高い優位性、及びテレビ東京、ホリプロ、フォーサムなどの協力社がタカラトミーの意見に賛同していただいた結果です。

日本語版について言えば、オープニング曲とエンディング曲は日本でも有名な作詞家や歌手を起用し、吹き替えは日本トップレベルのホリプロタレントを起用するなど話題性の高い作品となっています。

3、周辺製品の開発、「小学生男児をイメージした玩具事業を主軸に」

――このアニメについて、どのような周辺製品を開発しましたか。周辺製品の販売時にどのキャラクターが一番人気がありますか。アニメ「三国演義」の視聴者は16-35歳に位置づけられていますが、周辺製品にも年齢による区分はありますか。

周辺商品は小学生男児をイメージした玩具事業を主軸としながら、子供から大人まで幅広いターゲットに向けたMD展開を行います。例えば玩具において、「三国演義」を代表できるキャラクターパワーを生かし、アクションフィギュア、R/Cベイブレード、なりきり武器、名場面フィギュアなど多数展開しています。

「三国演義」のキャラクターはそれぞれ魅力があり、人気度もそれぞれですが、玩具の特徴からみると諸葛亮、趙雲などは人気があります。

周辺製品の上では、特に年齢による区分はありませんが、「三国演義」は中国では子供から大人まで幅広い年齢層に支持される作品であるため、小学生男児をイメージした玩具事業を主軸としながらも、幅広いターゲットに向けたMD展開を行っています。

――中国市場と日本市場での周辺製品の販売状況を教えてください。中日市場を除き、ほかの市場でも販売されていますか。

中国市場では、2009年8月のCCTVの初回放送に合わせて商品展開がスタートし、北京、上海、成都、広州等で徐々に拡大し、現在は約200店舗で展開しています。日本市場も初放送に合わせて、全国で販売を展開しています。中国・日本以外の市場は現地での「三国演義」の放送に合わせて順次展開していく予定です。

――海賊版を避けるため、周辺製品の部品や原料の自給率を高めたり、技術の難度を大きくしたりしていますか。

海賊版対策としては、現在中国側と一緒に対策を講じています。周辺製品の部品材料や技術に拘って、海賊版とすぐ区別できる製品を展開しています。

――今後、中国市場への進出について、どのような計画がありますか。

中国のコンテンツ力を活用し、玩具商品の価格帯の改善や流通チャネルの拡大等の計画があります。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月23日

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