韓国で1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯と認定された金賢姫・元朝鮮特殊工作員(48歳)が20日、日本に到着し、その後、日本の鳩山由紀夫・前首相の別荘に向かった。韓国連合ニュースが7月20日、伝えた。
金元工作員は、同日午前、日本政府が用意したチャーター機で羽田空港に到着し、そのまま長野県軽井沢にある鳩山前首相の別荘に直行した。金元工作員が鳩山前首相の別荘を訪ねるのは、鳩山前首相が日本民主党の拉致問題の責任者だったことによるとのこと。
これに先立ち、韓国側は、金元工作員は、航空機爆破に際し、日本のパスポートを偽造して日本人になりすまし、犯行に及んだとしている。また、金元工作員は朝鮮で日本語教育を受けており、その教育をしたのは朝鮮によって拉致された日本人・田口八重子さんであるとしている。金元工作員は、1990年3月27日、ソウル地方裁判所により死刑の判決が確定したが、1年後、韓国の盧泰愚元大統領の「特赦」により釈放された。以後、韓国の情報部門の保護の下、著述や講演の仕事を行ってきた。後に、「今、女として」と題する手記を出版し、韓国、日本でベストセラーになり、映画化もされた。1997年12月、金元工作員は、彼女の調査をしていた元韓国国家安全企画部の部員と極秘に結婚し、現在は韓国で「普通の主婦」としての生活をしている。
日本の各メデイアは金元工作員の来日のインタビュー取材にしのぎを削っているが、具体的な日程は全く明らかにされていない。日本政府は警備上のためとして、滞在中の日程を非公開としている。
「人民網日本語版」2010年7月21日