米国のある市場研究機関がこのほど、iPodを「分解」し、全ての部品の生産メーカーおよびコスト・利益を一つ一つ分析した。
その結果、米国で一台299ドルで売られているiPodのうち、流通にかかるコストが75ドル、アップル社の収入は80ドル、製造コストの合計は144ドルだった。この144ドルのうち、ハードウェアとディスプレイの2つに関しては、日本企業が93.39ドルの付加価値を創出、中でも東芝が主要部分を占めている。その他のコストは、米国、日本、韓国の一部企業が生産する部品と技術特許料など。そして、iPodの組み立てを行っている中国は、iPod1つが売れるたびに「数ドル」の加工費を受け取っているだけだった。「経済参考報」が伝えた。
この、いわゆる「iPod警示(iPodの警告)」をいまさら蒸し返す理由は、国内外のメディアが近頃、「中国経済はすでに日本を超え、世界第2の経済体となった」などと幅広く報道しているためだ。
中国人たちが誇らしげに喜んでいる今こそ、もっと深い危機意識を持つべきなのだ。GDPや貿易統計のデータにも、深刻な「ミスリーディング」があるかもしれない。
もしGDPや貿易データを「分解」して分析してみたら、中国はほとんどの分野で世界産業バリューチェーンの最末端にあることがわかるだろう。私たちは世界からうらやまれるようなGDPと輸出データを獲得した。しかし、アップル社や東芝のような世界的大企業は、さらに多くの利益を手に入れているのだ。
アップルや東芝に対する民衆の「怒り」を誘発するつもりなのではない。理性的な読者ならば、私たちといっしょに検討するべきだ。どうしてiPodからうまれるケーキ(利益)のうち、アップルと東芝が大部分の分け前をもらい、中国は「かけら」しか手に入れられないのか?