このことは、グローバル化が進む中で、国際的分業における地位が、世界の産業バリューチェーンの地位の差につながってくることを示している。
つまり、アップルと東芝が「肉を食べられる」のは、彼らが核心的な技術・デザイン・ブランドを持っているからだ。
私たちが「スープしか飲めない」のは、バリューチェーンの中で、廉価かつ代替可能な労働力しか提供していないからだ。
もちろん、「スープにありつける」ことだって一種の進歩と言える。改革開放前、中国が「世界の工場」になる前は、私たちは国際的な分業の外側におり、スープすら飲めないときもあった。現在も、コスト・規模・効率・インフラなどの面で中国に劣るために、スープにさえありつけない発展途上国は沢山ある。
しかし、人口13億人をかかえ、世界第2の経済体となった中国は、「スープが飲める」ことが最終目標ではない。世界的な金融危機の中、中国の経済構造調整と、経済成長モデルの転換がここまで切迫しており、後戻りができない状態なのは、このためだ。
中国は絶対に、自国に属するイノベーション能力と核心的な技術、そして世界一流のブランドを手に入れなければならない。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年8月5日