東証一部上場企業「Softbrain」創業者・宋文洲さん

東証一部上場企業「Softbrain」創業者・宋文洲さん。

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発信時間: 2010-09-16 16:53:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

宋文洲さんは1963年、中国山東省の生まれ。1985年に、中国の東北大学を卒業し、国費留学生として北海道大学に留学。北大で工学博士号を取得した後、札幌市内の会社に就職したものの、会社は3か月で倒産。その後、自らが大学時代に開発した土木解析ソフトの販売を始め、その時に得た資金で1992年、コンサルタント会社「ソフトブレーン」社を創設した。

独自に考え出した営業管理手法「プロセスマネージメント」を生かした営業支援ソフトウェア・「eセールスマネージャ」及びその関連サービスを主力製品に、これまで日本を中心に、1600社以上の企業に導入されている。

好調な売れ行きで急成長を遂げたソフトブレーン社は2005年に東証1部上場を果たしたが、宋さんは「創業者がいつまでもトップを務めるべきではない」とのポリシーに基づき、1部上場した後、代表権を社長に譲り、取締役会長に退いた。

昨年夏、一家4人で生活の拠点を北京に移した宋さんは、3ヶ月ほど前から中国企業向けの主力製品の販売も始めた。24年ぶりの中国での生活で感じたこと、中国と日本のビジネス環境の違い、そして、変わり続ける中国の市場としての魅力などについて、先月、北京で宋文洲さんにインタビューさせてもらった。

■サービスのグローバル化時代

――去年から生活の拠点を北京に移したようですね。

そうですね。もともとは子どもの中国語が上達しないので、ちょうど私もソフトブレーンを引退したし、どうせなら、現地で子どもが言葉を覚えてくれればと思って、去年の今頃、家族で北京に生活の拠点を移しました。

もちろん、東京の家もそのままにしていまして、私は毎月、1週間から10日ほど東京に戻り、ソフトブレーンの古いお客様を訪問したりしています。

しかし、一ヶ月のうちの4分の3の時間を北京で過ごすと、別にビジネスをしているわけでなくても、ビジネスマンの癖でいろいろ気になるんです。そうこうするうちに、ここにも市場があることが分かったので、ついつい、癖で中国でも販売を始めてしまいました。

――中国の民間企業の歴史はまだ浅くて、営業管理という考え方はまだ最近のことのように思いますが…

確かに中国は日本より遅れていますが、日本も進んでいたのは製造業だけで、ホワイトカラーは意外と古くて、欧米先進国と比べても、営業マンのやり方、管理部門のやりかたはまだ旧態依然のところが多いんです。だから、日本はモノは良いのに利益率が低い。販管費の効率が悪いから、利益が出にくくなっています。私はその辺に目をつけて会社を作りました。だから、後進国から来た留学生なのにちゃんと一部上場できました。

では、中国の企業はどうかと言うと、中国には企業がたくさんあって、最先端のマネージメントの考え方を取り入れて、世界に出て行ける企業も増えました。まずは、そういった企業を中心に十分市場が成り立ちます。それから、今は真ん中にあり、これから世界の企業を目指して頑張っていこうとする企業もたくさんありますので、そういう企業を助けて、啓蒙することにも意義もあります。ですから、やっているうちにニーズが拡大していくと思います。

――ソフトブレーン社の今後におきまして、中国ビジネスの位置づけは?

今、日本の良い会社はみな中国に出ていますから、会社によっては、今後2~3年以内に、中国での売上が本国・日本よりも多くなるだろう会社も出てきています。

だから、私たちにとって、中国でのサービスをちゃんとやると、東京のお客様も満足してくれます。本社が東京ですから。逆に言うと、日本で頑張って顧客満足度が高くなっていても、北京や上海で私とものサービスがついていかなければ、お客様にしてみれば物足りなく感じるでしょう。

僕の中には日本と中国は一つのマーケットになっている。どちらのサービスも充実しなければお客様が満足してくれないんですよ。つまり、お客様がグローバル化すると同時に、われわれも同時にグローバルなサービスを提供しなければならないということです。

■工場から市場に変わった中国

――ソフトブレーンが中国で子会社を置いたのはもう10年前のことになります。しかし、それまではずっと研究開発の仕事をしていて、販売を始めたのはわずか3ヶ月前とおっしゃいました。

これも完全に時代のお陰です。これまでの時代は、中国は人件費が安くて、工場としても魅力がありました。開発センターもある意味では、工場のようなものでした。当時の中国は、購買力がない上、経営マネージメントの力も低かったので、売りたくても売れなかったんです。ようやく売れ出したのが最近ですね。日本と同じ値段で売っても高いと言われなくなりました。こういう営業管理ソフトにニーズが出てきたというのは、中国が工場から市場に変わってきたということを何よりも物語っています。(写真左はソフトブレーン北京のオフィス風景)

――今後の市場の成り行きについてどのように見ていますか。

市場は私の主観的な願望によって変わるものではないので、どれぐらい速いスペースで変わっていくのかがまだ分かりません。しかし、少なくとも市場があること、そして、その市場が徐々に拡大していることをこの3ヶ月で実感しました。

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