大前研一氏:日本は「知の衰退」した国に

大前研一氏:日本は「知の衰退」した国に。 日本の経済評論家である大前研一氏は近頃、「『知の衰退』からいかに脱出するか?」と題した書物を出版し、人々の注目を集めた。日本が「知の衰退」した社会である象徴として以下のものが挙げられる…

タグ: 日本 知の衰退 大前研一氏 考えない 学ばない 

発信時間: 2010-10-18 14:29:56 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の経済評論家である大前研一氏は近頃、「『知の衰退』からいかに脱出するか?」と題した書物を出版し、人々の注目を集めた。バブルが崩壊してから、日本社会に起こる様々な問題の要因は日本人の集団的な知的衰退にあると大前氏は述べている。日本が「知の衰退」した社会である象徴として以下のものが挙げられる。

その1、考えない。大前氏は例を挙げて説明している。テレビ番組で「納豆がダイエットに効く」と聞けば、人々は鵜呑みにし、次の日には、スーパーの納豆は皆売り切れている。大前氏は他にも、様々な下らなく意味のないテレビ番組を批判し、日本の「バカ化」を心配している。ゲームが子どもたちの学習成績を下げていることに対して、彼は正に「考えない」事の代償であると述べている。頭を使って考えないと、人は欲求を失い、向上心さえも失ってしまう。10年前、若者の就職後の目標は車を買うことだった。なぜなら、彼らは幼い時からかっこいい車に乗って、女の子とデートすることを夢見てきたからだ。今の若者はと言うと、そんな事には全く興味もなく、携帯さえ持っていれば満足と言う状態だ。正に「携帯を持った猿」に退化している。

その2、学ばない。大前氏は今の日本人は本を読まないと批判している。彼は自分が受けたインタビューの質問が、「国はこれからどのような行動を取ればいいのか」などではなく、「どうすれば勝ち組になれるのか」や「どうすればお金を稼げるのか」と言った浅はかで稚拙な質問ばかりだったと語っている。電車の中で本を読む人は居ても、大抵はマンガで、暇な時は野球しか見ない。学習しないことは、1億2000万あまりの日本人を無教養な「経済素人」にしてしまった。1980年代のバブルの頃、日本企業は皆、こぞってアメリカの企業資産を大量に購入し、オーストラリアなどの国に家を買う日本人も続出した。そして、バブルは崩壊し、日本社会は再起不能の状態となったのだ。大前氏はこの状態が続いて日本人がどんどん「バカ」になっていくのを憂いている。

その3、無責任。これは政治の世界で顕著だ。これからの世の中を生き抜くためには、「3種の神器」が必要だと大前氏は語る。その3種とは「英語、金融、IT(情報技術)」である。しかし、日本の政治家達が知っているのは、「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」の3種類だけで、考えていることと言えば「選挙、権力、コネ、世襲」の事だけなのだ。このように、日本の政界はどんどん頭が悪くなり、経済危機が起きても、社会が深刻な局面にあっても、何も分からず何もできない。二進も三進もいかない状況になると、結局は途中放棄して何もしない。こうして日本の首相は頻繁に変わり、世界の人々を仰天させている。一国の政治は社会全体の縮図であると大前氏は言う。日本の社会に目を向ければ、度重なる首相の「逃避」も理解できなくはない。

大前氏はまた、著書でこのように書いている。「『知の衰退』した社会では、偽の看板をぶら下げたつわもの、海外の投資家や投資基金こそ最大の受益者である。なぜなら日本には『バカ』が多いからだ。」大前氏はもっと学習し、素質を上げよと日本人への警鐘を鳴らしている。

大前氏のこの一冊は日本の社会に対して、無常ながらも、はっとさせるような一撃を与えた。日本の権威ある経済学者が日本人に危機感を持ってもらえるよう警告し、ショックを与えたのである。経済の奇跡を起こしたことのある日本人はもちろん「知の衰退」した人々であるはずがない。しかし、経済の低迷から脱出したいのであれば、もっと努力しなくてはいけないのは確かである。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月18日

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