賈秋雅=文・写真
北京大学と東京大学の学生、それぞれ数十名が、東京と北京に2週間ずつ滞在し、日中間に横たわる様々な問題について討論する「2010年京論壇」が、10月3日、東京大学駒場キャンパスで最終日を迎えた。これまでの四年間に話し合われたテーマは、歴史認識、安全保障、軍事認識、歴史教育、環境、日中経済、ビジネス文化、食糧、国家とアイデンティティー、メディア、東アジアであり、今年のテーマは「国際社会」「教育」「経済格差」である。 北京大学と東京大学の学生たちは、両国が共に取り組んでいくべき課題やそれぞれが抱える国内の問題を、流暢な英語で率直的に語り、意見を交わした。
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「responsibility」から始まる2010京論壇 |
今年の「京論壇」について、日本側代表の東京大学教養学部三年生、山田卓史さんは「ある意味で新しい試み」と指摘し、以下のように述べている。
「日中間の問題を討論しても、必ずしもお互いの本当の姿を知ることにはならないと思う。今年、あえて日中問題ではないことを取り上げたのは、互いの国が抱えている課題を知ることで、相互の本当の姿を浮き彫りにすることができると思ったからです」
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休憩を挟んでパネルディスカッションーで「東大生vs北京大生―その実像」を熱論 |
「これから両国関係はどう変わっていくのか。ちょっとしたことで良くなったり、悪くなったりするかもしれないが、そういった時に、簡単に崩れてしまわないような関係を築くためにも、お互いの姿をさまざまな面から知っておく必要がある」
一方、北京側代表の北京大学法学院四年生、段棣淳さんは、今後の「京論壇」についてこう述べた。
「今年の『京論壇』は、中日関係が緊張している雰囲気の中に終わったが、学生たちの間の熱い討論はこれで終わりではない。それぞれの課題、体験、観点は異なるけど、これからも引き続き中日がともに取り組んでいくべき課題を語りあい、中日関係の未来像を描いていきたい」
自分の観点をアピールする両国の学生たち | 北京大学側代表・段棣淳さん |
VOICE 京論壇の意味は?
東大生:両国の関係を変えるためには、そこに関わる人たちを実際に変えるということが大切。二週間議論をすることで、本を読むよりもずっと深いコミュニケ―ションを行い、相互理解ができた
北京大生:二週間の後こそが大切です。これからも友情を保ちながら、未来を共に創っていきたい
2010京論壇キーワード
①「responsibility(責任)」
中日両国が「responsibility(責任)」で国際社会に貢献する
②「global vision(グローバル視野)」
自分たちの文化だけでなく、相手の文化や価値観も尊重する
人民中国インターネット版 2010年10月