稲垣喬方氏
稲垣喬方氏(右)と李薇・日本研究所所長
中国関連記事の切抜きによる「稲垣文庫」を開設日本の大手新聞社の中国関連報道記事を、37年にわたって収集し続けた写真家・稲垣喬方氏は、10月25日、中国社会科学院日本研究所に赴き、昨年、寄贈した資料によって開設された「稲垣文庫」を参観した。
日本研究所に古新聞を寄贈する稲垣喬方氏(左)
今回寄贈する資料を李薇・日本研究所所長に紹介する稲垣喬方氏(左)
昨年3月、稲垣氏は、日本の主要紙から1973年以来、切り抜いき保存してきた中国関連記事を計112冊のスクラップブックにまとめ、中国社会科学院日本研究所に寄贈した。日本研究所は、これらの資料を保管するため、今年、「稲垣文庫」を開設させた。
「日本研究所がこれほど大切に私の寄贈する資料を保管してくれて、本当に感動しています。今日、私は、さらに19冊のスクラップブックを日本研究所に寄贈します。これからも中国関連の記事を収集し続けたいと思っています。これらの資料が中日両国関係の研究に役立つことを祈っています」と稲垣さんは語った。
稲垣喬方
1930年、東京生まれ。京都府北桑田美山町の「かやぶきの里」(1993年、日本文化庁より「重要伝統的建造物群保存地区」に指定)を約30年にわたり撮影。「アマの身分」と「プロの腕」で仕上げた写真集『山里残影』(グラフィック社)は1992年の初版から2003年まで4版を重ね、総部数1万冊近くとなった。
外交官の父と書家・歌人の母の長男として、少年時代、両親とともに北京に6年滞在(1941~1946)。母は歌集『北京恋』で知られる稲垣黄鶴(1903~2007)。
戦後は舞台美術のスタッフとして、1955年、市川猿之助の大歌舞伎訪中公演及び翌年の梅蘭芳訪日公演に参加。1973年より、日本の大手新聞社の中国関連報道記事の収集、整理を始め、37年間でスクラップブック132冊分にまとめた。
人民中国インターネット版 2010年10月26日