また、今回登龍門に注目して個人的に劇場を訪れた日本の若手脚本家・宮尾卓志氏は、この舞台の感想を次のように話している。
「『日本文化を中国に』という定番舞台が多い中、相対しているともいえる今回の舞台は、上演そのものが既に意義深いと思います。目の前にある「中国文学作品」という積木を、一つ理解しては重ね、また一つ理解しては重ね、と繰り返して出来上がった作品なのでしょう。そこには、己を知ってもらうためにはまず、相手を知ることが大切であるという基本的精神が反映されています。その基本を観客らに問いかけ、それに気づかせ、見事に中日文化の融合を感じさせた舞台内容だったと思います。
僕個人としては、中国の多くの役者が日本で活躍しているように、主演の寧采臣を演じた松浦新くんのような、エネルギッシュで国境を問わず惹きつける華を持つ若い世代の日本人役者が中国で活躍の場を増やして行って欲しいと願っていますし、僕自身も今秋から拠点を北京に移していますので、脚本家としてそういった中日の文化交流を繋ぐという役割を共に担っていけたら、と考えています。」
「これからの中日交流を支える若者たち」第一弾:エンターテイメント集団「登龍門」、次週第二回は「舞台『倩女幽魂』」だ。名シーンを捉えた数々の写真と共に舞台の魅力を存分にお伝えするので、お楽しみに!
「中国国際放送局 日本語部」より 2010年11月10日