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漫画は、両国の食文化の違いから起こる面白エピソードなどが満載である。例えば、月さんがパクチー(香菜)をたっぷり入れた不味い「へんてこ味噌汁」を作ったり、初めてお好み焼きを食べに行ったとき、入っている具材を事細かく分析し、家で自己流のお好み焼きを作ろうとしたり、面白おかしく描かれている。傍らで振り回されている井上さんの姿にも、思わず噴出してしまう。
井上さんが漫画を描く目的は中国人を笑いのネタにしようとしている訳ではない。「日本で生活している外国人の中で一番多いのは中国人である。自分と同じように中国人と結婚した人も少なくない。それにもかかわらず、中国人をテーマにした漫画はまだない。表面上では分りにくいが、日本人は中国人との間に距離を感じているようだ。多くの日本人が自分たちにもっとも近い「お隣さん」である「中国」のことをもっと知りたいと思っているはずだし、友達になりたいはずである」と井上さんは言う。だからこそ、彼は自分の漫画を通して、このように思っている日本人に「中国人ってこうだったんだ」と分ってもらうことによって、中国人に対してもっと親近感を持ってもらいたいと考えている。簡単に言えば、これこそ中日の友情の架け橋になることである。
実はブログを始めた当初、井上さんは月さんにその事を黙っていた。しかし、ブログの人気は中国にまで飛び火し、月さんはお姉さんから事の真相を聞いたのである。漫画のファンはこの事で、連載が中止されるのを心配していたが、月さんは「だめって言ったって、みんなが楽しみにしているんだから、しょうがない」と言ったので、連載は「妻公認」を得て続行された。井上さんは「妻の悪口は描いていないので、許してくれるだろうと思っていた」と話していた。井上さんが描くお茶目でユーモアたっぷりの「中日文化摩擦」は今後どのような展開を見せるのだろうか、たくさんのファンがブログの更新を楽しみにしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月26日