日本発の「ソフトパワー」②アイディアが運命を変える

日本発の「ソフトパワー」②アイディアが運命を変える。 青木二郎は、若手の敏腕CMディレクターである。どんなものでも彼の手にかかれば不思議と人気を集める。彼が、ある炭酸飲料のCMデザインを手がけたとき、日本ではすでに炭酸飲料ブームが過ぎ去っていた・・・

タグ: 日本 ソフトパワー アイディア  デザイン 運命

発信時間: 2011-01-17 14:02:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文/何映宇

バブル経済崩壊後、日本政府は「興国」戦略を打ち立てた。デザイナー達に、大胆なインスピレーションを発揮するための舞台を提供、それは、建築や家具、広告やファッションなどといった大掛かりなものから、鏡や目覚まし時計、焼酎や漆器などの小さいものまで様々なものに反映された。人々の暮らしは、だんだんその輝きを増していった。

十数年間という短い時間の中で、日本のデザイン業界には、原研哉、隈研吾、三宅一生、山本耀司など数多くの国際的影響力を持つデザイナーが現れ、数え切れないほどの賞を受賞している。彼らのシンプルで繊細かつ自由奔放でクールな作風は急速に日本のソフトパワーを押し広げ、その影響力は日増しに深さを増している。

そこで、独自のブランド力に欠ける中国が、もしその「世界の工場」というローエンドの低位置から抜け出したいと考えるのであれば、日本の同業者がデザインの方面で手に入れた輝かしい功績をしっかりと研究・学習し、本当の意味で創造力を伴った興国の道を進むべきである。

昨年12月、原研哉は日本の一流デザイナー20名を引きつれて、世研メディア(CRC)東アジアデザインセンターと日本経済産業省が上海で実施した「JAPAN DESIGN+」日本人デザイナービジネスマッチング事業に参加、中国へ進出しデザイン市場独占の意欲を見せた。

しかし、恐れることはない。日本を読み解き、自分と相手を知ることが、大躍進の第一歩なのである。

シンプルで目立たない贅沢

前途洋々のデザイン業界

アイディアが運命を変える

青木二郎は、若手の敏腕CMディレクターである。どんなものでも彼の手にかかれば不思議と人気を集める。彼が、ある炭酸飲料のCMデザインを手がけたとき、日本ではすでに炭酸飲料ブームが過ぎ去っていた。日本ですでに流行っていなくなった。その頃は、人々の健康志向が強くなっており、お茶のような伝統的な健康飲料がよく売れており、炭酸飲料は誰も見向きもしなかった。「あの頃は、手に炭酸飲料を持っているだけで恥ずかしいくらいだった」と青木二郎は笑いながら振り返る。

このような状況下で、非常に難しい仕事であったが、彼は見事に枯れ木に花を咲かせた。「まず、消費者の目をその成分自体からそらし、“大人の飲み物”という理念を前面に打ち出し、そこに注目させた。」とはいえ、やはり決して健康的な飲み物ではないのだが、青木二郎のデザインしたポップなCMの効果で、この飲料は馬鹿売れ、若者の新しい人気の的となった。もちろん、飲料自体は、何も変わっていない。

青木二郎のもう一つの代表作が、「クロネコ宅急便」である。宅配会社は「クロネコ」という名前だが、もちろん、本当に猫ちゃんを配送員にするわけではない。青木二郎はこの仕事を受けた際、「クロネコ」という名前なら、いっそのこと本当の黒猫にすればいいのではないかと考えた。それで、黒猫の長いしっぽをつけた一台のバスが街を走るCMが出来上がった。この可愛いCMは、放送後すぐに愛猫家たちの人気を集めるとともに、人々の脳裏に「クロネコ宅急便」の名前を刻み込んでいった。

商品パッケージ・包装デザイナーの小磯裕司は、それまで低級な位置づけをされてきた焼酎「男の原点」の運命を変えた。宮沢哲は四方向とも充電できるプラグや人工大理石で作った傘立てなど、その創作力は人々に新しい風を運んできてくれる。これらの創意があるからこそ、日本デザインは日本国内で不動の地位を築いた。彼らは流行を追わず、自ら流行を創り出し、若者の人気の的となっている。つまり、一商品を決定づける力を持っているのは、「創意」であると言える。

角田陽太は、さらに小さな分野で彼の才能を発揮している。彼の作品は流行とはあまり関係ない。彼に言わせれば、「全てとても静かな日常用品です。」そして、その小さな製品が、大きな利益をもたらしている。彼は、木製の置き時計をデザインしたことがあり、文字盤には木の年輪をそのまま使用し、枯山水の風格を持つ。小さな世界を通して、大きな世界を見ているようだ。これらの木材は、もともとただの端材に過ぎないのだが、ひとたび角田の手にかかれば、その価値は大きく変わってしまう。また、彼がデザインしたステンレス包丁はよく売れており、湯たんぽも、それまですっかり影を潜める存在となっていたのだが、彼の手によって「第二の春」を迎え、一年で20万個を売った。角田自身も本人も名声が高まり、日本のデザイン業界において耀けるスターとなった。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月17日

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