世界最大のソーシャルネットワーク(SNS)であるフェイスブックは、アメリカで設立させたものである。しかし、その熱は世の中の流行に敏感な日本人にはあまり、「伝染」していないようだ。その要因は日本の特殊なネット文化と深い関わりがある。
市場の穴 日本人受けせず
公開されているデーターによると、2011年1月15日現在、フェイスブックの登録者は5億9600万人だ。うちアメリカの登録者が1億4700万人で、全ネットユーザーの約60%を占める。日本における登録者はたったの185万4800人で、ネットユーザーの2%にも満たない。
米ゴールドマン・サックスはフェイスブックに4億5000万米ドルの投資をする予定である。一方、日本のネット広告市場の2009年の売上高は7069億円だ。フェイスブックにゴールドマン・サックスが投資を続けるだけの魅力があることを示すためには、日本市場での穴を埋める必要がある。これは今、フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が挑まなくてはいけない難関では無いだろうか。
フェイスブックの日本版は、ボランティアによる翻訳によって実現した。しかし、日本版が使いにくいと述べる者もいる。今年2月、フェイスブックは東京にもわざわざ事務所を置き、日本市場への参入を試みる。
文化への挑戦 個人情報保護
「日本では、フェイスブックは確かに大きな壁に直面しているようだ」との見解を示したのは、インターネット利用動向調査のニールセン・オンラインのアナリスト・鈴木氏である。また彼は「手ごわいライバルも多く、加えて日本のネット文化の問題も解決しなくてはいけない」と述べた。
フェイスブックの特徴は、実名で登録しなくてはいけないということである。これこそ、フェイスブックが日本で受け入れられず、「ファン」を獲得できない理由である。日本では、個人情報の保護に敏感な人が多く、「ブログ主」もハンドルネームやニックネームで書き込みをするのが一般的である。