中国の若い人たちの書道に対する興味は日本人に及ばない
日本で働く中国人の王さんは、娘が小学校に上がったとき、学校の要求に応じて筆と墨入れを与えた。娘は学校から和紙を持ち帰り、字をなぞる練習を始めた。中国では手本は赤い文字だが、日本では白い紙を黒い文字の上に置いて書く。しかも敷いているのは紙ではなく、合成樹脂製のものだ。実は「和紙」は中国の画仙紙で、日本に広まった後に名前が変わった。
中国は日本文化の源で、書道も例外ではないが、日本の書道は人数、規模、普及の度合い、表装の質などの面ですでに書道の母国である中国を超えていることは否認できない。書道関連の書籍を出版する二玄社の西島慎一元編集長は、中国の若い人たちは字をいい加減に書いており、文化はいったん断ち切られると元に戻すのは難しいと指摘する。また、パソコンの普及により筆を使う人が少ないことも原因の一つだと話す。